1958年の4コマ漫画

まだ李承晩政権だった1958年1月23日、東亜日報に人気連載されていたキム・ソンファン氏の「ゴバウじいさん」が、大きな問題となりました。

まず、漫画を見てみましょう。

 

(PC版の場合、↓ここから↓が「続きを読む」の後になります)

1コマ目、肩の天秤棒に大きなバスケをかけた二人が出てきます。彼らは、トイレの汚物を汲み上げて片付ける人たちでした。韓国ではそのバスケ(または箱)をトントン(クソの箱)と言い、とても汚いものを表現する時、または何かを卑下する時に使う言葉として有名でした。二人は「あ、来たぞ」と話します。

2コマ目、二人の向こうから、同じくクソバコを肩にかけた人が近づいてきます。二人は深く挨拶をします。「尊いお方、いらっしゃいましたか!」と。その人は答えず、偉そうに「コホン」と空咳で返事します。昔の貴族(両班)たちが、下の者たちに返事する時によくやっていました。

3コマ目、ゴバウじいさん(アホ毛の人)がそれを見て、「あの方って、どなたですか?」と聞きます。クソバコの一人が「シーっ」と静かにしろとします。まだ「上」の人が近くにいるのに下の者たちが声をだすのは失礼だからです。

4コマ目、クソバコ人が親指をビシっとしながら答えます。「景武台(キョンムデ、いまの青瓦台)のクソを汲む方なんです!」。

 

まだ20代だった作家は、政府側に連れて行かれて、罰金刑になったと言われています(拷問されたという話も聞きますが、本人が何も話していません)。

 

作品からは、いろんなものが見えてきます。いったいどれだけ権力乱用がひどかったのか、そしてその権力におもねることで「私はあなたの下です」としないといけない社会風潮。社会弱者だった人たちの間でも同じく上下を決めるシステムがすでに出来ていたこと。1コマ目ではなぜ「いらっしゃる」ではなく「来た」なのか。

作家自ら、糞を汲む人たちを見下しているという側面も見えますが、当時の漫画からそんな側面まで読み取るのはやりすぎでしょうか。

 

 

♨ 著書関連のお知らせ ♨

🐻 シンシアリー+扶桑社の10冊目となる「なぜ日本のご飯は美味しいのか」が11月2日発売です!

🐷 9冊目、韓国人による末韓論(扶桑社新書)が発売中です!

🎩 他にも韓国の反日思想に対する考察をまとめたシリーズがございます。それぞれ、重点を置いた部分が違います。今までのシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。

 

108+

23 Replies to “1958年の4コマ漫画”

  1. 江戸時代のことですが、江戸城の肥汲みを請け負っていた葛西の大百姓は船で運搬していたのですが、他の船は舳先を遮ることは許されなかったそうです
    貴人の用を受ける人が自身の身分以上に尊重されるのは(本人が威張るかは別)どこにでもあることではないでしょうか

  2. 李承晩も所詮肥え汲みの親玉にすぎんって風刺に見えたんだろうか。

  3. トントン トントン

    ひののにとん

    気にしないでください。

  4. 普通に読んで、何故同じ肥汲みに頭を下げたのか不思議に思ってたら、大統領官邸の肥汲みだった、という落ちは面白いですよねー

    李氏朝鮮時代の奴婢達で言えば、より位の高い家の奴婢が、位の低い奴婢を見下していたのでしょう(笑

  5. 社会に上下が在り、下にも上下の別が在り、下にも下が有ると言うお話ですね。
    確か日本でも昔、この漫画が話題になった事が有る様に記憶してます。
    朴正煕が死んだ後の時代に、日本で紹介された。
    「(汚い)大統領府対して、敬意を払う国民。」=弾圧されている国民を皮肉っているので、作者は逮捕されたと。
    (当時、韓国人評論家が説明していた。)
    で、日本人評論家が「パン屋だったら、逮捕されなかったか?。」と聞いた。
    韓国人評論家は「大統領府」がキーワードに為ってるので、逮捕されたと思うと語った。
    以上、うるおぼえですけど・・・。

  6. 朝鮮戦争終わってから
    まだ三年だから、当時はまだ
    韓国は世界最貧国レベルじゃ無いかな。

    大統領とコジキが
    さほど変わらない生活なのに
    上下関係作ってるのが
    滑稽という事では。

  7. 興味深いです。こういった記事はシンシアリーさんならではというか、 この時代の韓国の4コママンガをはじめて見ました。ありがとうございます。 同じ仕事でありながら 上下関係があり、なおかつお互い尊重しあう態度が全くないところなど ああ。。。なるほど という感じです。もしかしたら日本でもこういったことはあるのだろうとは思いますが( 出入り業者同士で、 どこに入れるかによって 序列がある? という 状況)韓国と日本では違う点があるのではないかと思います。  もう少しこう、、  情報の交換というか  場合によって 持ちつ持たれつの 助け合い? 上下関係ではなく  状況によって お互いに助け合う、 なぜならば 同じ職業で 同じ苦労があるだろうから。 そういうものが もしかして 違うのではないかと。。。 うまく表現できなくてすみません。 

  8. 同じ仕事をしている相手に頭を下げて見せるけれど、本意では敬意を持っていないことを、景武台への当てこすりと取られたんですかね
    >大きな問題

    もっと単純に同業者という点では差のない所に差異を見出すことを笑いにしただけなんじゃなかろうかと思いました。
    あと本邦では金を出して買うものとして「金肥」と呼ばれたんですが、韓国では片付けるだけだったのかな。

  9. 日本語だと、肥え桶(おけ)と書いた方がわかりやすいです。
    古語では、大便を入れる容器という意味もありますが、
    現代日本語だと違和感があります。

    この漫画は『虎の威を借る狐』ってことですね。

    話は違いますが、スマホでシンシア・リーさんのブログが読めません。IPなんちゃらの被害を受けてます。

    1. IPをどう遮断しても、「読めない」状態にはなりません。アクセスそのものを遮断するのではなく、コメントが書けなくするだけです。なにが原因なのか、見当がつきません・・

コメントは受け付けていません。