ナベとチゲ

最近、スーパーで鍋料理をよく買います。

写真ですか?すみません。もう食べました。食べ終わってから「ブログに書こうかな」って気になって・・スーパーで売ってる小さなサイズ(1人用か2人用)のものです。

韓国にもチゲという料理があるし、味噌チゲ、ドゥブ(豆腐)チゲ、豚肉チゲなどがあります。でも、日本の鍋とは存在意味が逆のような気がします。

 

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韓国にはグック(국)やタン(湯)といって、材料から汁を出す料理法があります。これは伝統的なものです。

いまでは「とにかく強い味を出さないと売れない」ことになって、化学調味料を使いまくって強烈な味を出すグック料理が多いですが、昔はそうではなく、(材料にもよりますが)身分の高い人たちの料理法でした。味はそう強くなく、肉だけでなく、汁を出すことで薬効が出せる材料をいろいろ入れていました。例えばサムゲタンなども、「夏に食べることで冬の風邪を予防する」目的で食べていたある種の「保養食」です。

ですが、チゲは違います。チゲという料理法は、とにかく余った食材をあれこれ入れて出来たものであり、「伝統的なもの」と呼べるほどの歴史があるのかどうかも、意見が分かれています。実は朝鮮戦争の後に流行ったものにすぎない、という意見もあります。米軍部隊から出てくる・・米軍が「捨てた」ハムやソーセージなどを利用した「部隊(ブデ)チゲ」などが有名ですね。

その存在意味は、ただご飯を食べるための「強い味」を提供することにありました。いまではチゲもいろいろと改良され、食べやすくなっているとも聞きますが、それでも味は強く、必要以上に熱い(鍋の器に触っただけで火傷します)など、強い味を売りにする今時の韓国料理を象徴するような存在であります。

だから、ご飯なしにチゲだけ食べる人はそういません。鍋料理の中の各材料は、味がどうなのかわからない状態になります。

 

日本の鍋は、味がそう強くなく、ご飯無しでも、鍋料理だけで十分食べられます。それぞれの材料も味が生きています。

どちらかというと、幼かった時に母から聞いた「グック」料理の良いところは、今の韓国料理より、日本の鍋料理と重なる部分が多い気がします。

 

二つを一つにする時、韓国は一つに「混ぜる」ことを考え、日本は一つに「合わせる」ことを考える・・と前にも書いたことがありますが、

そう考えると、チゲと鍋にはそれぞれの国柄が出ているようで、面白いですね。

 

 

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