ビクター・チャ「北対米じゃなく、南北対米になるかも」

韓国大使に内定されてからキャンセルされたビクター・チャ教授。

噂ではタカ派ではないと聞きましたが、彼が南北首脳会談と米朝首脳会談のことで次のような予想を出しました。

米朝首脳会談がうまく行かなかった場合、「北対米」ではなく「南北対米」になる可能性がある、というのです。

韓国の「同盟離脱」という、米国の保守系としては珍しい表現も使っています。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

<・・ビクター・チャ教授は、「トランプの立場では、今回の南北首脳会談が次の大きなエピソード(トランプと金正恩の会談)のために用意されたTV番組の1回のようなものであった」、「しかし、(今回の会談でも)非核化について、北朝鮮が米国と同じ見方(CVID・完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄)を持っているかは不明であった」と指摘した。

彼はまた、「北朝鮮と韓国は、緊張緩和と朝鮮半島の平和体制の宣言が(朝鮮半島)の危機を避ける措置でありながら、対北軍事オプションを考えている米国タカ派をの手を縛ることができると思っている」、「このような観点から、(今後)米国が北朝鮮に軍事行動を行うこともあるというサインを出せば、それは朝鮮半島での「同盟離脱(decoupling)」現象を引き起こすこと(may create)になりえる」と述べた。北米首脳会談がうまくいかないと、「南北 対 アメリカ」の状況が来るかもしれないことを憂慮したものである・・>

http://v.media.daum.net/v/20180429130113914?d=y

 

これからありえる様々な可能性の中でも、「南北 対 米国」の可能性はとても高いと思っています。

ただ、ビクターチャ教授は「そんなことになったら韓国が同盟から離脱するかもしれないぞ」と心配しているようですが、私は韓国の同盟離脱が「最初から金正恩と文在寅が狙っていた目標の一つ」だと思っています。彼らが信じている「正しい統一の姿」の邪魔ですから。韓米同盟は。

それに、会談のあと、軍事オプションの話にならなくても、米国が「北朝鮮への制裁を解除せず現状のままにする」だけでも、韓国としては大きなショックでしょう。米国が韓半島の平和を邪魔している!と。

韓国側が主張していた「平和に乗り遅れるな」「日本は蚊帳の外にされている」「米国が誠意を見せる番だ」など・・それらはすべて「北朝鮮の制裁を解除せよ」と同じ意味で言っていたわけですから。単に米国が制裁を解除しなかっただけでも、韓国の世論は少しずつ「南北 対 米国」の方向性を取ることになるでしょう。

そうなれば、韓国が「日本人拉致問題のせいだ」と言い出す可能性だって十分あります。とにかく何かのとんでもない理由をつけて韓国は「日本が悪い」と日本を巻き込むでしょうから、結局は「南北 対 日米」になるのではないでしょうか。

 

 

NEW 5月10日発売のVoice6月号に寄稿文が載ることになりました。なぜ韓国の大統領は不幸な結末になるのか?というテーマです。

 著書関連のお知らせ ♨

・11冊目にして「日韓比較論」第二弾、「人を楽にしてくれる国・日本~韓国人による日韓比較論~」が発売中です!

・10冊目「なぜ日本のご飯は美味しいのか」、9冊目「韓国人による末韓論(扶桑社新書)」も発売中です

・他にも韓国の反日思想に対する考察をまとめたシリーズがございます。それぞれ、重点を置いた部分が違います。今までのシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。