必殺・ハシゴ外し

韓国社会の存在する、無数の(少なくともこのブログの更新の数だけ)社会問題を語るにおいて、「身分制度」は重要なキーワードの一つであると、個人的には思っています。

財閥は嫌いだけど財閥になりたい。甲は嫌いだけど甲になりたい。そう思っている社会なら、彼らは身分制度を嫌いだとしながらも、実は望んでいるとも言えます。「上」の身分になることを夢見ながら。

「スプーン階級論(匙・階級論)」について論じた時、私は「スプーン階級論は、自分自身に対するものでもあるが、実は親への不満の現れ」だと書きました。それも同じことで、実は「お金持ちの子が一番幸せ」とする考えがあったからです。

そう、新しい身分制度は、「親の力」です。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

生まれる身分を自分で選べないのと同じく、親の力も自分では選べない。だから自分自身は被害者だと言いたいのです。それが、韓国社会の「今どきの身分制度」です。強い人の子は、強いです。弱い人の子は、弱くて当然なのです。それが韓国社会の認識です。

いつだったか、「自力で10億ウォン(1億円)の資産を作るのはほぼ不可能になった」というニュースを聞いたこともありますが・・

国民銀行系列の金融研究機関が調査した結果、韓国の「お金持ち(金融資産1億円以上)」たちは、「子女たちは私ほど豊かになれない(自力ではお金持ちになれない)」と、相続・贈与を強く考えていることがわかりました。

「韓国のお金持ちたちは、今後、自力での成功が難しいという認識が広まっており、子供たちに早くから財産を相続したいとする人が大幅に増えた。

6日KB金融持株経営研究所が金融資産10億ウォン以上の400人を対象に実施した調査・分析の結果によると、「子どもの世代は、私ほど豊かになることは困難だろう」と答えたこれら62.3%となった。これは前年度58.1%より4.2%ポイント増えた数値だ・・>

子女世代は、79.6%が「親ほど豊かになるのは難しい」と思っている、とも。

https://news.v.daum.net/v/20180806103714943

 

階級移動(低所得層が中流階級になったり、中流階級から富裕層になったり)が事実上難しくなり、いわゆる「ハシゴを外された」現象が強くなっていることは、前から報道されました。

財閥ならともかく、「金融資産1億円」を本調査の「お金持ち」の基準だとするなら・・・ちょっと微妙ですね。韓国大手銀行の富裕層の子女たちの80%近くが、それを「難しい」と思っているとは。

 

韓国の若い世代が望んでいる「公平」というのは、親の世代をなかったことにして、「0ウォンからやり直そう」を意味するのかもしれません。でも、その勝負で勝敗が決まっても、次はまた負けた人たちが「前の勝負は無かったことにしよう」と言い出すでしょう。勝った人たちは「絶対にダメだ」と言うでしょうし。

 

 

 

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