韓国紙が分析した、「未だ文大統領の支持率が高い理由」

私の心の曇り具合にもよりますが、最近、韓国側の記事に「なるほど、それはそうだな」と思えるものが極端に少なくなりました。前からそう多かったわけではないけど、国内ことだと、「これは鋭い分析だな」と思えるものがたまにありましたけど。なんか、最近は「たまに」が「ほぼ無い」まで少なくなった、そんな気がします。そんな中、中央日報が、『いまだ文大統領の支持率が高い理由』について、珍しく簡潔で納得できる記事を載せました。政権交代という結果になったにも関わらず、いまだ42%という支持率を維持するその秘訣は何か、という記事です。

韓国で任期末に42%となると、これはものすごく高い支持率です。しかも、大統領選挙は政権交代という結果で終わりました。なのに、なんでこんなに高いのか。こんなに支持されているのになんで政権交代という形になったのか。ちなみに、マネートゥデイの集計によると、大統領選挙が今のような国民投票制に戻ってから、代盧泰宇(ノテウ)大統領が任期5年目で支持率12%、金泳三(キムヨンサム)大統領が8%、金大中大統領はそれでも高いほうで28%、盧武鉉(ノムヒョン)大統領も27%までは行きました。李明博大統領が23%。朴槿恵大統領は5年目のデータがありません。その点、ソース記事となる中央日報は、このように書いています。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・(※この高支持率は二つの戦略による、としながら)1つめの戦略として、文大統領は任期5年間、支持層の好感が得られる『積弊』清算、日韓関係での強硬な態度、南北首脳会談、最低賃金の引き上げのようなことだけを熱心に行った。支持層が反発しそうな政策は、一切していない。社会保険料関連の引き上げが必要な国民年金改革では何もせず、民主労総を意識して労働関連でも何もしなかった。廃棄場を追加で建設するなどの件は全て次期政権に残した。電気料金・都市ガス料金も任期中は抑え、大統領選挙が終わると急に値上げした。いろいろ大変なことになったが、人気管理という面ではかなり効果があった。

2つめの戦略は、陣営内部で大統領を『聖域』化し、一切の挑戦を許さなかった。盧武鉉大統領の場合、大統領のリーダーシップが弱くて政権が揺らいだと分析した文在寅政権は、大統領にとって少しでも気に障るようなことは、すべて『清算』すべき対象としてしまった。与党といっても、大統領府の方針に異論を出す議員に対しては、文大統領の熱烈な支持層から無数の抗議メールが浴びせられた。党論に反旗を翻した議員は、懲戒を受け、脱党(※離党)を選択するしかなかった。大統領側近であり法務部長官に対する捜査が行われると、「不敬な検察」を何とかするために、政治圏の内外で親・与党勢力が総出動、大騒ぎした。親・与党の知識人の間でも、「これはいけない」という問題提起があったが、政権は聞く耳を持たなかった・・>>

 

記事は、『にもかかわらず、文大統領は、政権交代という形で政権を終えることになった』とします。しかも、韓国でできた政権の中で、左・右を基準にして、5年(大統領1人)だけで政権交代になったのはこれが初めてだと指摘します。たしかに、金泳三氏も一応保守政党から出馬したので、盧泰愚・金泳三大統領、そのあとに金大中・盧武鉉大統領、それから李明博・朴槿恵大統領とすると、1回だけの執権で政権交代になったのは初めてとなります。例えこのような戦略で大統領の人気を高めても、それが決して有権者全体においての支持を意味するものではない、というのです。

記事はこの点を、立場によっては「『文大統領』は成功した」と言えるかもしれないが、「『文政権』は失敗した」としかいえない、と書いています。支持勢力が好むことだけをやる・・というのは、別に文大統領だけの問題ではありません。政権が変われば、前の政権もその支持者も『下』にされてしまいますから。でも、大統領の聖域化は、確かに、軍事政権以外の政権ではもっとも強かったかもしれません。個人的に、同じ現象があった朴槿恵大統領の初期よりもさらに強かったと見ています。『ムンパ(文派)』という言葉も有名でしたし。そういえば、ホワイトハウスのファンクラブはどうなったのでしょうか(棒

 

 

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