韓国メディア「米韓首脳会談は具体的な成果に乏しかった。『日本より先に訪韓した』と自己満足していることからも、それが分かる」

あくまで一部のメディアではありますが、米韓首脳会談の成果に『具体性』足りなかったという指摘が出ています。いままでも無かったわけではありませんが、あくまで『具体的ではないとも言えるが、それでも~』な内容がメインでした。なにせ、ほとんどのメディアは米韓首脳会談を高く評価していますので。

そんな中、私の気のせいかもしれませんが、昨日あたりから、一部のメディアから『そういえば、具体的な何かが無かったな』な記事が目立つようになりました。中でも、オーマイニュースの記事に載っている「米韓首脳会談で論じられた内容から、これから韓国が収穫する『実』があまり見えない」という一行は、かなり的確だと思いました。

 

前にもハンギョレ新聞が同じ趣旨を指摘していて(失礼ながら)意外だなと思いましたが、今回はもっと意外です。やはり、『政権に有利に書かないと』という縛りが無いから、でしょうか。他にも、昨日も紹介したノーカットニュースが、『日米と米韓では、すでにテーブルの大きさから違った(出てくる料理の数が違う、すなわちレベルが違うという意味)』という題で、同じく具体性がもっと必要だった、と指摘しています。「日本より先に訪韓した」を必要以上に強調しているのも、そのせいではないのか、とも。

日本が うわあぁぁ な話は何度もエントリーしたので、今回はこれらの記事をご紹介します。とはいえ、どうしても日本を絡める内容が付き物ですが。オーマイニュースの記事は、題が『なんでバイデンは日本にだけプレゼントをやったのか』だったりします(笑)。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・サムスン電子は米国に170億ドル規模の投資を約束し、バイデン大統領は訪問現場で「テキサスに3000個の新しい雇用創出効果」とし感謝を表した。現代自動車も米国に総100億ドル投資を約束し、バイデン大統領は今回の訪韓期間、自国の国民に「ビジネス外交で成功した」と言えるようになった。

一方、韓国は、望んでいた先端・新技術分野で、具体的成果なしに「人的交流拡大」、「研究開発によるパートナーシップの増進」など、抽象的な合意しか得ることができなかった。バイデン大統領は、米国に進出する韓国企業に対して「良質の労働力とインフラ提供」という当然の約束をしただけだ。米国の具体的な投資約束は、ネットフリックス子会社の6年間1億ドル規模の投資、バイオ医薬品部品会社の投資了解覚書ぐらいしかない。

 

これを意識しているのか、一部のメディアは、韓米同盟の安保協力を強調する。しかし、これからの安保協力は軍事同盟を越え、経済同盟を通じたサプライチェーンの安定性確保など、包括的安保協力のことである。韓国にとって残念なのが、この部分だ。単純に算術的、貸・借の対照だけでなく、韓米経済同盟という側面で、韓国が今後収穫できる『実』があまり見えないということだ。「韓米同盟の堅固さを再確認した」というのは、何かを『得た』のではなく、今まで通りだという『確認』だ。変わったことがないという意味だ。

数十年前から続いたフレームだ。すでに経済的先進国、軍事強国になった今の韓国が満足できる『安保の傘』ではない。韓国から大規模投資という大きなプレゼントを手にした米国が、日本に国連安保理常任理事国支持というプレゼントをやった・・(オーマイニュース)>>

 

<<・・バイデン大統領としては(※先の韓国の投資の話で)国内の有権者たちに韓国企業のおかげで米国内の雇用を新規に創出することになり、地域経済も回生させることができるようになった、と広報できた。バイデンとしては今年最大の政治イベントである11月の中間選挙に好材料を作ることができたたわけだ。

韓国が獲得したのは、主に名目上の利益だ。バイデン大統領が韓国を日本より先の訪問したという自己満足の意味付与が、これを象徴的に見せている。外交部のパクジン長官が伝えた成果は「韓米同盟」のアップグレードだった・・・・米国と同盟の複数の「ビジョン」を共有したというのは、定量化できない価値で評価されるだけだ。しかし、手に取れるほどの具体性が無いというのはどうしても残念だ。特に、ユン大統領が候補時代に何度も示唆していた、米軍の核兵器(※多分『戦術核兵器』のことで、前は朝鮮半島に配置されていました)を朝鮮半島に配置する件も、引き出せなかった・・(ノーカットニュース)>>

 

ノーカットさん、昨日か一昨日から関連記事に妙な敗北感(?)が漂っていましたが・・まさか、あの『日本より先』にも触れてしまうとは。「これから収穫できる実」なら、なおさら急いでなんとかなる問題でもないでしょう。これから信頼を取り戻すことができれば(できれば)、きっと共に歩むこともできるようになるはずです。できれば(できれば)。

でも、もし尹大統領が思った以上にスーパーサイユンジンな力を発揮して、状況を大いに改善でき、何かの成果が残せたとしても、5年後にはまたどうなるか分かりません。政権交代だと『前の政権を否定する』のが義務のようになっているので。日米もさすがにそこには気づいているはずでしょう。

 

 

おかげさまで新刊『日本人たらしめているものはなにか』を追記しました。帰化を前にして、いろいろと考えてみて、その自分なりの結論を記録した本です。固定エントリー『新刊・準新刊のご紹介』に簡単な内容を綴りました

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして新刊・準新刊のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2022年6月1日発売)からですが、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>です。帰化を前にして考えたことを記録した本です。アマゾンページに書いてある、「私はただ、日本が好きだから、日本人として生きたいと思っています」と、「『お前は韓国人として生まれた』が、『私は日本人として死ぬ』に上書きされた時に見えてきた、日本人になるということの意味」が、本書の全てを表していると言えるでしょう。そんな本です。 ・新刊<「自由な国」日本「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書) >は、日本滞在4年目に感じた「日常」と、ラムザイヤー教授論文騒ぎにまつわる、日韓の対応の差などをまとめました。2021年発売版に、相応の追記を致した新書版でございます。 ・国に蔓延する対日観、『卑日』について考察した卑日(扶桑社新書)>も発売中です。なぜ今の韓国に、日本に対する『卑』が必要なのか。それを自分なりに考察、率直に書きました。 ・刊として、文政権の失敗を振り返った <文在寅政権最後の暴走>と、自分なりの『日本語』本<日本語の行間~韓国人による日韓比較論 (扶桑社新書)>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。旧「インフォメーション」もこちらに統合してあります。本当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。 ・れでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。