ソウル転倒事故、違法建築による『ボトルネック現象』が一つの原因か・・鉄製建造物により幅5mの道路が急に3.2mに

本文のURLは「結局またこれか」にしてみました・・はともかく。韓国ではビョンモク(瓶の首)現象ともいいますが、交通渋滞の説明などに用いる『ボトルネック現象』というものがあります。ある時点で道路が狭くなると、どうしても渋滞が発生するという意味です。今回、ソウル転倒事故の現場近くに、何件もの違法建築が確認されています。複数のメディアが複数の時点を取材して記事にしていますが、本エントリーのソース記事、中央日報によると、事故が起きた場所は、大型建築物(ホテルなど)がある場所なので、道の幅は4m以上になるように法律で定めており、実際にその道(路地)への入り口あたりは道の幅が5mあるそうです。しかし、鉄製の違法建築物があって、急に幅が3.2mまで狭くなる、とのことでして。

事故現場近くの複数の場所が報じられているものの、この違法建築物のことで、すべてこれのせいだと言う事はできないでしょう。しかし、あのセウォル号のときも、船の違法な増築などが指摘されていました。どうしてもあのときとオーバーラップしてしまうのは、私の心が曇っているからでしょうか。報じているのが主に右側のメディアということもあって、一部からは『政府の責任にならないようにするための記事ではないのか』という指摘も出ていますが、記事の内容がすべて事実なら、『ボトルネック現象』が『一つの』原因になっていた可能性は、十分にあります。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・事故は、幅3.2mの路地で起こった。梨泰院(イテウォン)ハミルトンホテルの裏側の世界食文化通りから集まった人混みは、ホテルの隣の下り坂の路地に入ってきて、身動きが取れなくなった、あの区間のことだ。路地の上の方は幅が5m以上あるが、下の方では3.2mに狭くなる。専門家たちは、一種のボトルネック現象だと解釈する。ユンソンニョル大統領は事故翌日の10月30日午前、現場を訪問して「通りの幅がどれくらいになるのか」と尋ね、「3.2m」という報告を受け、そのまま何も話さずため息をついた。建築法上、道路は歩行者の安全のために幅が4m以上でなければならず、当該地域の建築物現況図にも道路の幅は4mとなっている。なのに、なぜここまで狭くなったのか。違法な建築物があったからだ。

中央日報が確保した建築物現況図によると、ホテルはほとんど建築限界線を越えて建てられた。建築限界線は、道に接した部分に、建築物を建築できるラインのことである。ホテル側は路地の途中に建築限界線を超えて、建物の出入口(階段を含む)を設置しており、路地の下の方には鉄製の壁が道路側に出てくる形で10mほど続いている・・・・匿名を要請したある建築士は、「このホテルは大部分が建築限界線を越えている、珍しい建物」とし「特に、路地の中間の入り口は明白な違法建築物」と説明した。龍山区庁の関係者は「(ホテルが)古い建物(1970年竣工)であり、変更された都市計画などが反映されず、建築ラインを超えた状態に維持された可能性がある」と解明した。ただし、龍山区庁は、違法建築物に該当するのかの有無など、詳細についての質疑については、31日深夜まで、返事をしてくれなかった。

 

この鉄製の壁は、通行の流れを防ぐ要素として作用した。現行の法律や条例上、ホテルなどの大型建築物は、通行の流れなどを妨げないように隣接する道路の端線(境界線)から4m離れて建てるようになっている(※記事には3mとなっていますが、4mのミスだと思われます)。だが、ハミルトンホテルは道路境界線側に壁を設置し、その結果、幅3.2mの道路が誕生したのだ。イドンホ、仁川大学安全工学科教授は、「路地の下側に降りるほど、道の幅が狭くなる、ボトルネック現象により、通行の流れが遅くなるのは力学的に当たり前だ」と話した。ある建築士は「昔に建てられた建物だとしても、事後管理は現行法令に合わせなければならないが、そのような点が全く見えない」と指摘した(※この点、他の記事などでその鉄製建造物の写真も見てみましたが、数十年前に作られたものには見えませんでした。この※は個人的な見解で、引用記事の一部ではありません)・・>>

 

朝鮮日報など他のメディアもこの件を報じていますが、区役所側の話だと、「その鉄製の壁には『屋根』に値するものがないので、この場合は違法ではない」とのことです。鉄製の建造物が道路を占有する形になっているのに、屋根がないと大丈夫だというのも妙な話ではありますが・・繰り返しになりますが、これはたしかに問題です。しかし、これ『だけ』が原因だとは思えません。もっといろんな問題が絡み合った、複合的なもの・・強いて言うなら『社会』的な事故だったかもしれません。そう、セウォル号のときも、同じことを書いた記憶がありますが。

 

 

久しぶりにレナスレをエントリーしました。こちらになります。ドール写真ですので、苦手な方はご注意ください。
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