韓国No.2半導体企業にも資金難の噂・・韓国銀行報告書、国内外金融・経済専門家の60%が「1年以内に、金融関連でなにかの衝撃が発生する」など

いつもよりちょっと早いですが、更新します。2つの記事をまとめてお伝えしますが・・まず、ロッテグループに続いて、韓国の半導体No.2であるSKハイニックスにも、資金難の話が出ています。原因は、ある意味、ヨンクル(?)のようなものです。NAND型フラッシュメモリー部門で、キオクシア社に押されて3位になり、赤字になった、とも。韓国経済などの記事によると、業況がおもったより悪化していることもありますが、インテルのNAND部門を買った影響が思ったより響いており、社債を発行しようとして失敗した、という話も出ているとのことです。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

<<・・SKハイニックスが、NANDフラッシュ世界2位(市場シェア基準)の席を日本キオクシア社に明け渡した。7~9月期SKハイニックスの市場シェア(子会社『ソリダイム』合算)は4~6月期19.9%から18.5%に下落した。キオクシア社は同期間15.6%から第3四半期20.6%に急騰した。売上を見てもSKハイニックス7~9月期25億3930万ドルで、4~6月比29.8%急減したが、キオクシアの売上(28億2990万ドル)は同期間0.1%減少するにとどまった。両社の売上高、シェアがここまで違う理由は何だろうか。SKハイニックスはスマートフォン、PC、企業向けサーバー市場不振の影響を大きく受けた。

 

NANDフラッシュが入る情報技術(IT)製品がよく売れないから需要が減り、SKハイニックスの売上も減ったのだ。キオクシア社の善戦は、年初の工場稼働中断のマイナス効果から抜け出した影響が大きい・・・・もともとSKハイニックスはシェア10%前後の世界5位圏のNANDフラッシュメーカーだった。2020年10月、米国インテルのNANDフラッシュ事業部門全体を、当時の為替基準で10兆3000億ウォンで買収する契約を締結した。合算シェアを20%台に引き上げて世界2位圏に跳躍するとともに、NANDフラッシュの核心製品として浮上したSSD競争力を強化するための目的だった・・

・・2021年末、第1段階の買収作業を完了した。インテルNANDフラッシュ事業部を「ソリダイム」と名付けて100%子会社にした。 2022年、ソリダイムが一回限りの費用を除いては黒字を記録すると見ていた。だが、下半期に入ってNANDフラッシュ市況が急激に悪化し・・・・ソリダイムを含むSKの米国NAND法人は7~9月期6133億ウォンの純損失を記録した。今年に入って累積純損失は8717億ウォンに達する・・・・NANDフラッシュの不況にソリダイムの不時着まで重なり、SKハイニックスに対する懸念も高まっている。証券業界では、今年10~12月期に赤字に転換し、来年も赤字を続けるという見通しも出ている・・

 

・・9月末基準で、SKハイニックスの現金性資産は5兆ウォン水準だ。SKハイニックスが来年に資本的支出(CAPEX)投資を今年比50%以上減らすと明らかにしているものの、日常的な施設投資に必要な金額は10兆ウォン前後と推算されている。2025年2月までまだ期限は残っているが、インテルに支給すべきソリダイム買収金の残高、約2兆6700億ウォンも残っている。SKハイニックスが社債発行などを通じて資金を調達しなければならない状況だと分析される。(※しかし)証券業界では、最近、「SKハイニックスが会社債発行を試みたが、失敗した」という噂まで出回った。産業界の関係者は、「最近、高騰した調達金利などを勘案するとき、SKハイニックスに負担になるだろう」とし「来年、苦しい時期を経験するだろう」と話した(韓国経済)・・>>

 

次は、韓国銀行の報告書関連ですが、72人の国内外の経済・金融専門家に聞いたところ、約6割、58.3%が「1年以内に、金融システムの安定性を揺るがす衝撃が発生する」と答えました。こちらはニュース1ですが、前回の調査より%が上がったのはもちろんのことですが、個人的に、その原因として指摘された内容のほうが興味深いところです。前回の調査では、(以下の引用部分にはありませんが)「主要国の金利政策」や「ウクライナ事態」などが主な原因とされましたが、今回はそれらは減り、『家計債務』や『国内市場金利』が大きく増え、さらに、『企業の資金調達問題』『金融機関の貸し出しで問題が生じるリスク』などが、新しく追加された、とのことでして。専門家たちの目が、「単に国際情勢の問題ではない」という側面を見るようになった、そんなところでしょうか。

 

<<・・レゴランド事態を皮切りに、凍りついた資金市場を証明するように、1年以内に主要な金融衝撃が発生する可能性があるとする専門家の割合が、60%近くまで上昇した。韓国銀行が27日に発表した「2022年下半期システムリスクサーベイ結果」を見ると、今月2~9日、国内外の金融・経済専門家72人を対象としたアンケートでこのような結果が出た。調査の結果、1年以内に短期的に金融システムの安定性を揺るがす衝撃が来るという回答は、5月の26.9%より、31.4%ポイントも増加した58.3%に達した。

発生可能な主要リスクの中で特に「国内市場金利の急激な上昇」(1年内87.1%、3年内12.9%)が最も多く、発生時の影響力も大きいと評価された。1年内の短期では、「企業の資金調達条件のリスク増加」(82.2%)と「金融機関のローンが不実化、および偶発債務現実化の懸念」(74.3%)が最も高く調査された。1~3年以内である「中期」では、「不動産市場の低迷」(46.2%)とともに、家計債務のレベルおよびその返済増加(40%)の割合が大きかった(ニュース1)・・>>

 

偶発債務というのは、いまは債務としてカウントしていないけど、ある条件によって債務として数えられる可能性があるという意味です。全てではないにせよ、多くはプロジェクト・ファイナンス関連だと見てもいいでしょう。あくまで一例ですが・・PFのプロジェクトを総括するところを施行社、実際にマンションなどを作る会社を建設社と言いますが、例えば施行社側の自己資本などが十分ではない場合、資金調達などのために、資金の一定部分において建設社が保証した、とします。PFがうまくいかず施行社に問題が発生した場合、建設会社の債務が一気に増えることになります。こういうのが、建設社の偶発債務の一例です。

 

 

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