韓国、ロシア産石油製品(ナフサ)をチュニジアから迂回輸入・・ロイター通信が『西側の調査を避けるためのもの』と報道

ロイターが、韓国がロシア産ナフサ(naphtha)をチュニジアを経由、迂回輸入しているという記事を載せました。ロイターの原文はこちらで、直訳ではなく、ソース記事は聯合ニュースです。記事内には『西側の調査から離れ、安く輸入するため』という指摘も載っていますが・・ネットメディアの中には『ロシア制裁に同調するからこそ迂回輸入したのだ』という謎の見解を載せるところもあります。聯合ニュースなど主なメディアは、ロイターの記事内容だけ引用、独自の見解は載せずに報道しています。

韓国はナフサ輸入が多い国です。2021年では最大の輸入国でした。韓国がロシアから輸入する品目のうち、輸入依存度が20%を超える品目は118種で、その中でもナフサはロシア産が23%でした。10月31日マネーSは、ウクライナ事態などを報じながら、「ロシアがそれら品目の輸出を減らしたり、中断する可能性」について、次のように報じています。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・もっとも影響が大きいと懸念されるのは「ナフサ」供給で、石油化学産業の基本原料であるナフサは「産業の米」と呼ばれる。 2021年、ロシア産ナフサ輸入額は43億8000万ドル、約6兆ウォン規模で、全体ナフサ輸入の23%がロシア産で、比重が最も大きい。ナフサはプラスチックや繊維など各種化学製品の基礎原料として使われ、原油を精製して生産するため、原油価格とナフサ価格が同伴上昇し、需給による原材料価格上昇が見込まれており(マネーS)・・>>

ここから聯合ニュースです。 <<・・チュニジアからナフサを輸入し始め、これは西側の制裁による、通常ではない貿易経路を示すものだと、ロイター通信が24日(現地時間)報道した。ロシア産ナフサのチュニジア流入が急増したということだ。ロイター通信は「チュニジアから韓国へ、ロシア産ナフサの新しい通常経路」というタイトルの記事でこのように伝えた・・

 

・・ロイター通信が引用した金融情報会社リフィニティブによると、世界最大のナフサ輸入国である韓国は昨年、全体のナフサ輸入量の4分の1に達する約59万トンをロシアから輸入していたが、最近には、貿易量はほとんどなくなった。石油公社の資料を見ると、去る10月、チュニジアでナフサ8万2千tを輸入したことが確認された。韓国がチュニジアからナフサを輸入したのは2020年11月の約3万5000トン以来23カ月ぶりだ。リフィニティブデータ上、韓国は今月もチュニジアで27万4千tの供給を受けるものとみられる。ナフサは原油を蒸留する際に流出する炭化水素の混合物で、石油化学工業の主要原料だ。

ロイターは「珍しい交易路である」とし、「ロシアのウクライナ事態により、西側が制裁を加えるようになり、チュニジアに向かうロシアのナフサ輸出量が急増し、これと同時に、チュニジアを通じた韓国のナフサ輸入が始まった」と指摘した。エネルギー関連シンクタンクであるリスタッド・エネルギーのマニッシュ・セズワル市場分析部門副社長は「貿易への変更は、西側の調査を避け、安価なロシア産原料を利用しようとするものだ」と述べた。ナフサの輸出入に関する質疑に、韓国とチュニジア当局は回答に応じなかったと、ロイターは伝えた(聯合ニュース)・・>>

 

ウクライナ事態で尹政権が見せているスタンスは、文政権と大差ありません。最近は弾薬を支援するとかそんな話も出ていますが、これもあくまで『米国』への支援であり、その分をウクライナに渡すことは許可しないとしています(ヘラルド経済、11日) <<・・しかし、米国が購入した155mm弾薬をウクライナに伝達するには、防衛事業管理規定などに従い、必ず韓国政府の承認を受けなければならない。政府は、ウクライナに武器は支援しないという方針により、米国がこの弾薬をウクライナに提供する件については、承認しないという立場であることが分かった。国防部も、米国と国内企業の間の弾薬輸出協議は、米国を最終使用者とするという前提のもとで進めていることを強調した・・>>

 

16日(現地時間)国連で採択されたクリミア自治共和国およびセバストポリ市の人権決議案。ウクライナが発議したこの決議案でも、韓国は棄権しました。賛成78カ国、反対14カ国、棄権79カ国で、韓国政府は『賛成より棄権が多い、グレーな決議案だった』としていますが、もし賛成していたら、賛成のほうが多かったことでしょう。朝鮮日報は、こう報じています。 <<・・日本、米国、フランス、イタリア、英国、ドイツなど、自由民主陣営諸国は賛成票を投じた。逆に、中国、ロシア、北朝鮮、シリアなど14カ国は反対した。これについて外交部関係者は、「すべてにおいてハッキリと分けて賛否を決定することはできず、クリミア決議案の場合、棄権国家のほうが多い、グレーゾーン決議案」、「普遍的価値を遵守していく。グローバル中枢国家が揺れることはない」とした(朝鮮日報)・・>> 

こんな中、今回のナフサ関連ニュースが、どのような影響をおよぼすのか、気になるところです・・と、数日前に1回休んだばかりで、いつにもまして申し訳ございませんが、今日はこれで更新終了と致します。次の更新は、明日の午前11時頃になります。今日は大人しく家で原稿を・・

 

 

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