ゴールデンカムイを見て

日本に来てから、映画館が近い、録画、DVDBDレンタルなどのインフラのおかげで、かなり古いものから最新のものまで、映画やアニメをいろいろ見ています。

最近、毎週録画して見ているアニメに「ゴールデンカムイ」というのがあります。原作も大人気だそうですが、読んだことはありません。今日も録画しておいた分を見ましたが、ヒロイン(アイヌの女の子)がこんなことを話しました。

赤ちゃんが生まれると、その赤ちゃんに「病」が取り付かないようにわざと汚い名前をつけて、6歳になったらその子の性格とまわりの出来事などを考えてちゃんとした名前をつける、と。

 

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朝鮮でも、同じ考え方がありました。

だから、さまよう鬼神(幽霊)たちが妬まないように、ゲトン(犬の糞)、ドルスェ(石+鉄くず)など、汚いもの、価値のないものを子の名前にする風習がありました。

ただ、これは身分が低い人たちに限ってもことです。身分の低い人たちに、名前はこれといって意味を成すものではありませんでした。そのためか、成長してからちゃんとした名前をつけるとか、そんな風習はありませんでした。

考え方は同じで似たようなところがあっても、社会の在り方によって当たり前のように差もある・・面白いですね。

 

余談ということで・・これは前にも書いた内容ですが・・サンノム(賎民)は姓によってその職業がほとんど決まっていて、いや詳しくは「職業によって姓が決まって」いて、

チョン(天)氏は巫俗人(ムダンと言います)、バン(方)氏は木で物を作る職業、 ジ(地)氏は葬儀をする人、チュク(丑)氏は牛を殺すベクチョン、マ(馬)氏は馬を殺すベクチョン、ゴル(骨)氏は骨を扱うベクチョン、ピ(皮)氏は皮職人(ガパッチ)のことでした。

「~職の者」という呼び方が、そのまま姓になったようなものです。教育が出来ない(字を学んだりするとクーデターの罪を問われたりしました)状態だったため、お父さんのやっている仕事をそのまま受け継ぐのが普通で、それにもしそうじゃなくても、その職業の人を「その姓氏で呼べば」それでよかったのです。

人間でない存在にちゃんとした姓など無用。わかるように呼べればそれで良い、ということですね。

 

併合後、日本は彼らをヤンバン(貴族)の姓に「編入」させました。

天(チョン)氏は同じ発音を持つヤンバンの姓である「千」(チョン)氏へ、方(バン)氏は同じ発音、同じ表記のヤンバンの姓である「方」(バン)氏へ、地(ジ)氏は同じ発音を持つヤンバンの姓である「池」(ジ)氏へ、 丑(チュク)氏は発音が似ている「秋(チュ)」氏へ、 馬(マ)氏は同じ発音と表記の中国、朝鮮のヤンバン姓「馬(マ)」氏へ、 骨(ゴル)氏は発音が似ているヤンバン姓「葛」(ガル)や「高」(ゴ)氏へ、 皮(ピ)氏は表記と発音が同じのヤンバン姓である「皮」(ピ)氏へ、それぞれ編入することで、氏による差別をなくしました。

そのせいか、いまでも韓国では「チョンバンジチュクマゴルピの姓にはサンノムどもが混ざっている」という話を耳にします。

いや、すでに朝鮮末期のヤンバンって、ほとんどが偽物でしたけど。

 

 

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