趙(ゾ)と曹(ゾ)・・本貫の話

ご存知、韓国の大学などには「日本」の字が入る研究機関が無数にあり、日本に対するシンクタンクモドキのような役割をしています。そんな中、また(これ重要)、「日本を研究している」という人が韓国で本を出版しました。

記事で紹介されている内容だけまとめますと・・いつもどおり、前半部はちゃんと書いているものの、途中で「韓国人としてこれはいけない」という神(反日教)の声でも聞こえたのか、おかしくなります。

その中で、ちょっとおもしろい話があったので、紹介します。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

・韓国は検事出身の国会議員が多いが日本には1人(検事出身1人、判事出身1人)しかいない。現役の時、政治界の顔色を気にしなかったからだ

・日本では広辞苑の新版がトップスターの写真集より売れる。信じられない

その広辞苑も、右翼の抗議で、慰安婦を「大多数は連行された朝鮮人女性だった」から「植民地・占領地の女性も大勢含まれていた」に直した

・1978年、日本人に名刺を渡したら「昌寧曺(チャンニョンのゾ)氏ですね」とその日本人が言ってきてびっくりした。彼は韓国の財閥の家系図を研究していたら姓氏がわかるようになったという。私(著者)は彼の「服部」という姓が読めなかった。日本人はこんなに韓国を研究しているのに私たちは日本を研究していない

https://news.v.daum.net/v/20180823152302944

 

さて、「右翼がー」は論外にして、曹(※詳しくは、韓国では「曺」と書きます。以下、本エントリーでは曹とします)氏の部分で、ちょっとだけツッコミを。

韓国の姓氏は李とか金とか多いですが、実は「全州の李(チョンジュのイ)」「金海の金(キムへのキム)」などで地名を付けて区別しています。そういうのを本貫(始祖が生まれた場所)と言います。本貫の種類(場所)は、数十は当たり前で、李氏の場合は250を超えます。

韓国では、本貫はとても大事とされてきました。同姓同本(姓が同じ、本貫も同じ)の場合は、結婚できないのが法律で定められていました。一部で「李氏の男と李氏の女は結婚できない」という誤解もありますが、実は姓と本貫が同じの場合のみ、結婚できませんでした。これが改善されたのは、2005年のことです。いまは、親戚の三従兄弟の間(韓国で言う「8寸以内の血族」)でないと、結婚できます。

余談ですが、李承晩氏を支持する人たちは、李氏朝鮮と同じ「全州の李」家の人が韓国の初代大統領に選ばれたことに、大きな意味があるとしていました。

 

カタカナ表記だと「チョウ」にするのが一般的ですが、韓国にはゾ(Cho)氏が約145万人います。ただ、発音は同じですが漢字表記は違っていて、「曹(ゾ)」氏が約40万人、「趙(ゾ)」氏が約105万人です。

 

本貫は丁寧に自己紹介する時に話すもので、名刺に「昌寧の曹氏」と書く人はいません。78年のことだから、漢字で「曹◯◯」と書いていたはずです。

趙ではなく曹だから、その相手の日本人(本当にそんな人がいたら、これが本当にあったエピソードなら、の話ですが)は「昌寧の曹」と言ったのでしょう。

なぜなら、趙には56の本貫があり、趙だけではどこの本貫の趙なのかはわかりません。でも、曹は一般的に「昌寧の曹」ということになっています。

 

でも、本当にそれが「すごい」ことなのでしょうか?いいえ、これは間違いです。「昌寧の曹氏でしょうか?」と聞くのはともかく、「昌寧の曹ですね」というのは、失礼です。

あまり知られていない(マイナー)ものの、曹にも20の本貫があります。昌寧の曹氏が有名ではありますが、曹の全員が昌寧の曹というわけではありません。

すなわち、その相手の日本人が名刺を見て「昌寧の曹ですね」と話したのは、結果的にはあたりだったものの(著者は昌寧の曹氏)、実は間違い、いや「失礼なこと」です。しかも、著者さんはそれに今でも気づいていないようです。

 

※コメント欄でも指摘がありましたが、韓国の曹氏は詳しくは「曺」と書きます。別に意味があって使い分けたわけではございません※

 

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