自制を知らない剣は暴力にすぎない

意外といえば意外ですが、ハンギョレ新聞が「国民に嫌われると標的捜査もいいのか」という記事を載せました。

いつもより少し引用多めで、エントリーしてみます。記事のチョ・ヤンホ一家というのは、韓進や大韓航空などでいろいろ「甲の横暴」で物議をかもした、韓進グループ総帥一家のことです。

・会議で水入りコップを投げつけたことが発端だった。チョ・ヤンホ韓進グループ会長一家5人家族に関する暴露、情報提供、諜報があふれた

・お金があるからって偉そうにするやつらを、私たちが苦しめてやりますと、政府機関が先を争って手を上げた。警察、検察、公正取引委員会、保健福祉部、法務部、移民特殊調査隊、雇用労働部、国土交通省、関税庁、国税庁、農林畜産検疫本部、教育部まで取りかかった

 

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・どんな罪を犯したにせよ、ここまで一家を狙った事例はない。一家5人に適用された犯罪容疑だけで10を超える。半年の間にフォトラインに立った回数が14回、押収捜索(家宅捜索)18回も行われた。会長夫婦と二人の娘は、拘束ぎりぎりまで行った。検察と警察は5回も拘束令状(逮捕状)を申請した。すべて棄却された。裁判所は「法理争いの余地がある」「防御権の保障が必要だ」と令状を出さなかった。逮捕する必要はないじゃないかという意味だ。それでも、この件は一家の誰かを「牢屋にぶちこむ」までは終わる気配がない

・(ここまで問題が大きくなったのは)チョ会長一家が国民に嫌われたのが問題だった。自業自得ではある。しかし、私たちは「嫌いな人」ではなく「犯罪」を処罰する法治国家に住んでいる。だから、人格責任はなく、行為責任を追及する。罪を憎んで人を憎まずと教え、教わる。 「決定的な一発」が出てくるまで標的捜査を続けたところで、盧武鉉元大統領みたいな悲劇的な結末しかない

 

・検察と警察は過去史委員会というものを作って、昔の人権侵害と公権力の乱用事例を調査している。最高裁が確定判決した事件まで対象になっている。捜査中の事件の人権侵害と権限の乱用を「リアルタイムで」監視して対応するとあちこちに宣伝しているものの、彼らがチョ会長一家の捜査を問題にしたという話は聞いたことがない

・「自制を知らない剣は暴力にすぎない」。法律家であるムン・ジェイン大統領、刑法学者パク・サンギ法務部長官も学んだであろう。「権利のための闘争」に出てくる、法学者ルドルフ・フォン・イェーリングの言葉だ。

・水大砲(デモ鎮圧用の大きな放水砲)にやられてデモ中の農民が死亡したことがある。あの時、野党代表だった文在寅氏はこう言った。「公権力の責任は特に重く、個人の責任と同じではない。国民を相手に乱用されては絶対にならない」。の警察放水だけが公権力ではない。命を失った農民ベクも、国民に嫌われているチョ会長も、どちらの人権にもその重さは変わらないのだ

https://news.v.daum.net/v/20181007092603242?d=y

 

ご存知の方は、ガメラマーチの「強いぞガメラ☓3」に合わせて歌ってみましょう。

「どうしたハンギョレ/どうしたハンギョレ/悪いもん食っーたーかー」

 

・・という冗談はさておき、「たとえ国民全員に嫌われたとしても、その人が犯罪者になるわけではない」ということ、十分納得できます。韓国の新聞社として見事な指摘です。お見事です。

でも、決定的な問題が、1ヶ所だけあります。

<私たちは「嫌いな人」ではなく「犯罪」を処罰する法治国家に住んでいる。だから、人格責任はなく、行為責任を追及する>。

韓国は法治国家ではありません。だから、「私の嫌いな人」は「犯罪者」なんです。詳しくは、「国が犯罪者だと認めるべき人」なのです。なぜか?私の嫌いな人だからです。韓国の社会問題の少なくとも8~9割はそこに原因があると言っていいでしょう。

 

国内問題だけではありません。韓国人が「反日」でもっとも力を尽くしているのは、「日本の法的責任」です。

いいか悪いか、肯定するか否定するかを離れて、日本の戦争責任はもう終わりました。内容はともかく裁判もあったし、日本は戦後に果たすべき責任をすべて完遂しました。韓国は、それを認めません。日本が憎いから、日本を憎まないといけないからです。

いまになって日本の旭日旗を「戦犯」旗だと呼び、安倍総理の記事には高い確率で「戦犯の孫」という表現が出てくる、そして「若い世代に戦争責任を負わせるべきではない」とする趣旨の安倍談話の内容に発狂としかいえない反応を示し、別の意見を認めない韓国。それのどこが、法治国家の姿なのでしょうか。

 

 

 

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