韓国「親北でも、抗日した人は国家有功者」

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韓国の正統性が臨時政府なら、北朝鮮の正統性は「白頭血統」であると、前から書いてきました。白頭山(中国で言う「長白山」)での抗日ゲリラ戦を行った金日成が「王族」となり、当時のゲリラ仲間たちが労働党幹部になって権力を世襲し、「貴族」となりました。

臨時政府と白頭どちらも「抗日」が共通します。極めて単純化して考えてみると、韓国の左派思想家たちからすると、「抗日した親北派の人」がもっとも必要な存在かもしれません。「抗日したから親北でもいいよね」というアピールは、彼らにとっては目障りな反共を飛び越え、連邦国家成立のための丈夫な足場となります。

戦後には南側にいたけど、1948年を前後して北朝鮮の思想に同調して北に行った臨時政府の人は大勢います。彼らの「利用価値」は、とても高いと言えましょう。今日はそのなかの1人、金元鳳(キム・ウォンボン)氏を紹介します。

 

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以下、「諸説あり」を前提にして書きますと、キム・ウォンボン氏は光復軍(臨時政府が正規軍だと主張している組織)の副司令官でした。

戦後には韓国側で大韓民国の成立のために働いたというものの、1948年(韓国ができる直前)に北朝鮮に越北しました。

拉致された場合(自分の意志ではない)を拉北、自分の意志で北朝鮮に行った場合を「越北」と言います。

北朝鮮は、日本の拉致被害者のことは、「拉致」の存在を認めています。しかし、北朝鮮にいる韓国拉致被害者たちに対しては「拉致は一人もいない。全員が越北で北朝鮮に来た人たちだ」と主張しています。韓国にとってこの「越北」という言葉は、いろいろと頭が痛い単語であります。

しかもこのキム・ウォンボン氏、「金日成と一緒に、中国・ロシア(旧ソ連)から朝鮮戦争の許可を勝ち取った」という話もあります。実際、後で北朝鮮の労働相(労働部長官。日本で言う厚生労働相)まで出世します。抗日闘争の経歴、軍組織の副司令官だったことから、朝鮮戦争のときに北朝鮮「軍」側にも関わったと見るのは当然の流れになるでしょう。

 

韓国としては「臨時政府正規軍の副司令が越北して朝鮮戦争開戦に関わった」ことは、トラウマ級のことですが・・

このキム・ウォンボン氏を国家有功者にすることが、ほぼ決まりました。まだ決定はしてないけど、「ほぼ」決まったそうです。国家に功労のある人たちを国家有功者にして、その家族にも年金を支給したりします。

なぜ今になって彼を国家有功者にするのか・・というと、「北朝鮮に捨てられた(粛清されたと言われていますが不確かです)」、「韓国の政府樹立に役立った」、そして「抗日した」という理由です。

最初にも書きましたが、「利用価値」が高いと思ったのでしょう。実際、米国で暮らしている彼の親族がインタビューで「韓国の国家有功者には民族反逆者・親日派が多すぎる。いい刺激になるだろう」などと話しています。

 

実は、臨時政府の暗殺者が親日派・日本人を暗殺しまくる内容の反日映画で、観客動員1270万人を記録した「暗殺(2015年)」でも、このキム・ウォンボン氏が登場します。日本政府がかけた「賞金首」としては、金九よりも賞金が高い、まさに「日本がもっとも恐れる人物」という設定でした。

https://news.v.daum.net/v/20190218155815829

https://news.v.daum.net/v/20190225174251618?d=y

 

 

 

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