反日種族主義という言葉

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最近、日本側のネットでも知られているイ・ヨンフン教授(併合時代を研究して持論を展開しただけで慰安婦に土下座謝罪させられた人です)など、極めて一部の人たちではありますが、「反日種族主義」という言葉を使っています。

昨日紹介した「反日がー」エントリーもそういう類のもので、同じイベントの参加者に反日種族主義という言葉を使う人がいました。

初めて見た時には「具体的に何の意味だ?これ」としか思いませんでしたが、その英訳が「tribalism」だとわかった時から、興味を抱くようになりました。tribalismは、部族主義という意味です。民族主義の前段階、特に『未開な民族主義』という意味でよく用いる表現です。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

以下、月刊朝鮮4月号から引用してみます。引用した部分に民衆史学という言葉が出てきますが、これは「朝鮮半島統一後に日本に起こること」でもそこそこ長く論じましたが、韓国の民衆運動(労働運動など)の持論のことです。

そこには社会主義的な側面と民族主義的な側面が強く残っており、北朝鮮が韓国に「思想」という名の攻撃を仕掛けるための良い「通路」になりました。

 

<・・民衆史学が本格に台頭した頃、民衆史学の地盤が崩れた。東欧とソ連共産主義が崩壊したのだ。民衆を主体とした民族解放運動論、次の段階のプロレタリア革命論は力を失った。民衆史学を信じる人たちは、民衆史学を主張しづらくなってしまった。

彼らは、かつて彼らが軽蔑した民族主義に逃避した。ただし、それは日帝の、非妥協的闘争だけを認める民族主義であった。義烈闘争(抗日テロ活動)、武装闘争(独立軍基地や遊撃隊の活動)、赤色農民労働運動などが賞賛の対象だった。実力養成運動や外交独立運動(※武力ではなく自主的な力量を増やそうという趣旨の独立運動)は、蔑視した。金九、金元鳳(キム・ウォンボン)、ム・ジョン、金日成などが浮き彫りになった。

彼らの新しい立場は民族主義に属したが、実際、それは極端な民族至上主義・民族原理主義であった。日本に抵抗しないのは悪であり、日本と直接闘争するだけが善という認識であった。これは後に、日本だけを攻撃する民族主義、反日種族主義(tribalism)になってしまった・・>

http://monthly.chosun.com/client/news/viw.asp?ctcd=A&nNewsNumb=201904100028

 

昨日も同じ趣旨を書きましたが、本エントリーは「だから反日は民衆運動のせいニダ!」と書くためのものではありません。反日は韓国の総意であり、様々な側面はあるものの、その側面は「1つの総意のそれぞれの側面」であり、決して別々に考えるべきものではありません。

民衆史学は、特に「左派思想と親北思想の関係(民族主義に走ったせいで北朝鮮の主体思想に感化される人が急増しました)」という側面に重要でありますが、それが全てではありません。

様々な「日本は悪い」という教育が、韓国人に「それ以外は許さない」という掟を作ってしまいました。

それがまるで「法律よりも上にある、孤立した村の掟」のようになった・・と見るのはどうでしょうか。そう考えると、部族というより、孤立した村(悪い意味での「部落」)に近いと言ったほうが良いかもしれません。

 

去年6月の本ブログのエントリーで、金九氏の自叙伝である「白凡逸志」を引用してこう書いたことがあります。

<・・「血統的民族だけは、永遠に、盛衰興亡の共同運命の縁に結ばれた一つの体として、この地に残るだろう・・現実の真理は、民族ごとに最良の国を作り、最良の文化を生み育て、他の民族と相互に交換し助け合うことである。これが私が信じている民主主義であり、これが人類の現段階では、最も確実な真理だ」としています。これは「一つの民族で一つの国家」を目指すというものであり、しかも彼がいう民族において大事なのはただ「血縁」であり、彼はこの時代遅れの理屈を民主主義の定義にまで結びつけようとしました・・>

なるほど、彼は民族というものを、部族というか、部落みたいに考えていたわけです。彼を国父とする後の世の人たちが、「反日種族主義」から「魂の安らぎ」を求めているのは、当然の結果かもしれません。

 

 

 

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本当にありがとうございます(・∀・)ノ

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