「実質的非識字率」について(2019年4月)

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本ブログが取り上げた数多くの(曇った)案件。

もういいやと思うほど続報が入り過ぎで困る案件もありますが、逆に、ずっと「何か続きが書きたい」と思いつつも、これといってデータが手に入らず、手が出せないでいるものがあります。

後者の1つが、「実質的非識字率」です。初出のときには実質的◯盲率と書きましたが、失礼な書き方だと指摘され、いまは「~非識字(率)」と書いています。

「機能性(※韓国では漢字表記が安定しないせいか、論文やサイトによっては『技能性』と記すこともあります)非識字率」とも言いますが、これは「字は読めるけど、その内容が理解できない」人たちを意味します。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

普通の非識字率は1.5%前後の韓国。しかし、字が読めるだけで、その内容が理解できない人は意外と多いと言われています。彼ら「実質的非識字者」たちについての指摘は、随分前からありました。ソース記事は2012年のものですが、元になるデータが出てきたのはもう15年以上前です。

以下、韓国教育開発院が発刊した「2004年韓国教育人的資源指標」より。

・町内会公告文を見て「町内会が誰の家で開かれるのか」が把握できる水準の、生活情報文書解読に脆弱な人(1段階)が全体の38%

・(自身がまだ知らないでいる)新しい職業や技術に必要な情報を本を通じて理解できない人(2段階)も全体国民の37.8%にも及ぶ

・大学を卒業した高学歴者の文書読解能力も、調査対象となる経済協力開発機構(OECD) 22ヶ国の中で最下位であった

https://news.v.daum.net/v/20120903151020610

 

 

かなり重要な案件だと思いますが、続報といえるものが出てきたのは2014年11月24日のKBSで、こういう内容でした。・韓国に実質文盲率が高いという話を聞いた。ありえないと思った

・ある区役所、福祉館の「中級インターネット教室」を訪れた。ほとんど60代以上の人たちだったが、数ヶ月もPC(ネット)教育を受け、コンピュータをうまく扱う人たちだった

・彼らを相手に、前に入手したOECDの文字読解力テストの問題でテストしてみた。薬の説明書に書かれている10行ほどの注意事項を読んで、その薬の「最大服用可能期間」を答える問題だった(※説明書に書いてあります)

・結果は驚くべきものだった。 17人のうち9人、半分以上が間違えた

・韓国は20代までの読解力が世界最高水準だが、中・長年層の読解力は世界最低水準だ。しかも、韓国は20代を過ぎると読解力が急激に低下する(他国の場合、30~35歳が頂点となる)

・一部の研究者の間では、「恥ずかしい統計だから広く知らせようとしなかったのではないか」という話も出てきている。しかし、否定的な統計であるからこそ、社会の発展のために、より多くの関心とクローズアップが必要であろう

https://news.v.daum.net/v/20141124102512433

 

 

「知らせたくない」の理由・・というか、清州教育大学オム・フン教授の著書『学校の中の文盲たち(※直訳です)』によると、こういう内容があります。

・韓国のほぼすべての学校で「字は読めるのに内容が理解できない人が意外なほど多い」現象を見つけることができる

・問題は、誰もこの問題を重要だと思ってないことだ

・韓国教育界は、単に「非識字率(※単純に字が読めない率)」の表向きデータでいい成績を出すために必死になっているだけで、その人たちがちゃんと文章の内容を理解しているのかどうかは二の次だ

・彼らは「文盲退治(※非識字率を下げるという国家政策)」という神話を追い続けているだけだ

 

不思議なほど話題にならないこの案件について調べているうちに、2015年頃から、「トンネルビジョン」という言葉を目にしました。非識字率を下げるために単なる読み方など「表面的な部分」に教育の重点を置きすぎで、「内容(例えば文章全体の意味など)」を読み取ることができなくなってしまった、というのです。

でも、「内容を見ず、単語だけ見る」といっても・・トンネルビジョンだけでこの件を説明するのは無理があります。

 

トンネルビジョンという言葉を適用するなら、教育を受ける人たちより、単純な教え方で表面的な非識字率だけを下げた教育界、または韓国という国柄そのものに適用すべきではないでしょうか。

トンネルビジョンには、単に視野が狭くなるという意味もありますが、「見たいものだけ見ようとする」という心理的な意味もあります。どことなく、国柄にも似ている指摘だな・・と思うと、歴史とか日本観とか、そんな側面とも妙に重なる気がして、面白くないけど面白いところです。

 

 

 

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