米朝関係の破綻は、韓中関係の破綻になるのか

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13日のVOAによると、米上院議員が「『年末』は北朝鮮が勝手に決めたもので、米国が行う決定とは関係ない」「北朝鮮が自発的に非核化するとは思ってもいない」と話しました。

ちょうど、平壌駐在のイギリス大使だったジョン・エヴァレット氏が「北朝鮮は対話などしない」RFA放送で話すなど、北朝鮮に対する「強硬」な政策を注文する声が大きくなりつつあります。

それらの発言の中には、「中国が嫌がっても、域内同盟国にミサイル防衛(MD)システムを配置する」という話もあります。日本のことならミサイル防衛システムの「強化」と言ったハズです。「配置」というからには、韓国が米国のMDシステムに入ることを意味するものでしょう。となると、「中国が嫌がっても」というより、「韓国が嫌がっても」と言ったほうがいいかもしれません。

2つの記事から、引用してみます。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

<北朝鮮で勤務した英国の元外交官が、北朝鮮が韓国や米国との対話に乗り出す可能性はほとんどないと、外交的解決に否定的な展望を出した。

13日(現地時間)、ジョン・エヴァレット元北朝鮮駐在のイギリス大使は、自由アジア放送(RFA)とのインタビューで、スティーブンビーガン対北朝鮮政策特別代表の訪韓と関連、このように分析した・・

・・エヴァレット元大使は「ビーガン代表を個人的に尊敬しており、彼が賢明な人であることをよく知っているが、一個人が現在の梗塞局面を打破するのは不可能だ」、「率直に言って、北朝鮮が提示した要件のいくつかを叶えてやる以外に、他の外交的措置が残っているとは思えない」と話した。

「米国がなぜ北朝鮮に譲歩しないのか、わかる」、「それは、北朝鮮の相次ぐ挑発に補償してやる結果になるからだ」と説明した。

エヴァレット元大使は「北朝鮮が文在寅大統領との対話にもはや興味がないことを明らかにしている」、「米国との対話展望も非常に悪い。北朝鮮は対立に方向転換したと思われる」と診断した・・>

https://news.v.daum.net/v/20191214110320292

 

<・・マルコ・ルビオ(共和)上院議員は、北朝鮮が米国に通知した「年末期限」について、「国内向け」と一蹴し、「米国で行われる決定とは関係ない」と述べた。

ルビオ議員は最近の北朝鮮の挑発が「驚くほどのことでもない」とし「金委員長が自発的に非核化するとは思ってもいない」と従来の立場を固守した。

ルビオ議員は「北朝鮮がもし大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を再開した場合、米国の対応策の一つは、米本土と域内の同盟国のためのミサイル防衛システムの配置である」とし「中国が嫌がるだろうが、その必要性を理解しなければならない」と展望した・・>

https://news.v.daum.net/v/20191214102137938

 

ここで気になるのは、やはり例の「3NO(3不)」です。

2017年。THAAD関連で中国にあっさり敗北宣言した韓国の文在寅大統領は、「米国のMDシステムに入らない」、「日・米・韓の『3国軍事同盟』は無い」、「THAAD追加配置はしない」と中国に約束しました。

今回、米国が韓国に中距離ミサイルを配置する件で中国が怒っているのも、そもそも、「これは、韓国が米国のMDシステムに入るという意味ではないのか」という側面があるわけでして。

要するに、米朝関係の悪化は、米国が韓国にミサイル防衛などを増やす結果になり、それが韓中関係にも破綻をもたらす、という流れになります。「安保は米国に、経済は中国に頼る」という韓国の基本政策(?)が崩れるわけです。

この前、ムン2号(文正仁氏)が「米朝関係が崩れると、韓国は中国側に行くしかない(”韓国政府も考えを変えるかもしれない”)」としたこともあるし、結局、韓国が米中の間で「両方の味方」を演出するのも、限界が見えてきたと言えましょう。

 

 

 

 

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