いわゆる「文喜相案」、法案が国会通過できても、最高裁の個人賠償請求権には相打ちできない

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韓国のムン・ヒサン(文喜相)国会議長が発議した、「いわゆる強制徴用判決」の解決案。韓国側では、詳しく何を根拠にしているのか「日本でも高く評価されている」「でもちゃんと成立(国会通過)できるか心配だ」と報道されています。

さて、どこがどうやって評価されているかはわかりませんが、もし本気でこの案を「解決策」だと考えているなら、この案には一つの絶対条件があります。韓国最高裁の命じた日本企業の「賠償金支払い」を、打ち消せるものでなければなりません。

しかし、イーデイリーの分析によると、例えこの案が国会を通過しても、最高裁判決による個人賠償、および日本企業の資産差し押さえ・現金化は維持される可能性がほぼ確実であることがわかりました。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

<18日ムン・ヒサン国会議長が日本徴用被害者の賠償問題の解決のための「記憶・和解・未来財団案」を発議しながら、日本のマスコミが一斉に法案通過の可能性を注視している・・

・・日本政府の主張を受け入れ、被害者に対する金銭的補償を「賠償」ではなく「慰謝料」としてまとめたという点で、(※日本側も)肯定的に受け入れる一方、これに対する韓国内の世論が良くないという点で、法案通過の可能性とこの案による韓日関係の改善には懐疑的である・・

・・ムン議長が提出した法案は、基金を通じて、最高裁が認めた徴用被害者や韓国政府が認めた強制動員被害者に慰謝料を支払うという内容を盛り込んでいる。慰謝料は、企業や個人の寄付によるもので、強制力がない。徴用被害者に対する賠償は、1965年の韓日請求権協定に基づいて、すべて解決されたという日本政府の主張を十分に受け入れたのだ・・>

 

いったんここで引用を止め、ちょっと私見を書きます。記事は「慰謝料は賠償ではない。『賠償ではない』とする日本政府の意見を受け入れたものだ」としていますが、慰謝料は補償というより賠償の概念となります。何を根拠に『慰謝料は賠償ではない』としたのでしょうか。そもそも、韓国最高裁が個人賠償を認めながら「慰謝料を支払え」しています。すなわち、韓国最高裁が言った慰謝料は「精神的苦痛に対する『賠償』」です。議長案でいう慰謝料が、たとえ集める過程に強制力が無いとしても、それは「韓国最高裁が日本企業に命じた『賠償(慰謝料)』責任」を打ち消せるものでなければなりません。慰謝料 慰謝料の対決で、それが出来るのでしょうか?そこには、ある条件があります。記事からの引用、続きます。

 

<・・慰謝料は「原告が反対の意思を示さないという前提で(最高裁が命じた賠償金を)第3者が返済する」形態となる。これは原告が受け入れない場合には、賠償請求権は、効力があり、日本企業の韓国資産の売却は続くことになる。

すなわち、法案通過の可能性も、後に法案がちゃんと実行できるのかも、徴用被害者たちがこれを受け入れるかどうかにかかっている・・>

https://news.v.daum.net/v/20191219114007810

「賠償ではない」「強制力は無い」「関係改善!関係改善!」とそれっぽい言葉を並べてはいますが、所詮は「子供だまし」。もし現状の被害者(?)たちが受け入れるとしても、あとで別の被害者(?)が「私は受け入れないからな」としてしまえば、そこで終わりです。とうてい、韓国最高裁の個人賠償判決を打ち消せるものではない。「韓国が国際法違反状態を是正する」ものでもない。この点を、もっとはっきりすべきだと思います。

 

 

 

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