西海と黄海

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前のコメントの中に、とてもおもしろい指摘がありました。「日本海を東海だとここまで主張する韓国が、なぜ黄海を西海(ソへ)だと主張しないのか」というものでした。

その点、韓国での「公式」名称は何なのか?を調べてみると、なんと、西海ではなく黄海です。黄海は中国での呼び方なのに、なんでこれが韓国公式のものになっているのでしょうか。

その点、様々な「説」がありますが、「私たちの言葉百科事典」の著者であるイ・ジェウン氏は、次のように書いています。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

<黄海は韓国で慣用的に呼ばれる名称であり、学術的・国際的には、黄海(Yellow Sea)という。黄海は、中国固有の名称で発音は「ファンハ(黄河)」である。ただ、政府が間違ってしまい、韓国も黄海を公式名称にしている。黄海の南境界線は、一般的に、済州島と長江河口を結ぶ線である。

黄海と呼ぶことになったのは、偶然ではない。1961年4月22日、国防部地理研究所は約12万4000個の地名を一括整理して告示したことがある(国務院告示第16号/内務省国立建設研究所中央指名委員会)。

この時、国防部が何も考えずに、黄海という名称をそのまま使った。問題があるとして、1965年に外交部と法務部など政府が会議を開いたが、再び黄海名称をそのまま使うことに合意し、この名称はそのまま確定された。

当然だが、「黄海」という地名を眺める視点は、中国と韓国とで異なっている。中国は黄河と遼河などから流れていった黄土の水で海が黄色く見えるから黄河だという。事実上、これ定説である。ところが韓国では、海が浅く、泥の水が頻繁に起こるから黄海だという。インチキだ。さらに、黄海道(※北朝鮮の地名の一つで、日本でい言う県のようなもの)の黄海がそのような意味だと主張する人までいる。中国人の誰も、こんな話には同意しない・・(DAUM百科事典より部分引用)>

https://100.daum.net/encyclopedia/view/186XX73100077

 

著者の方は「日本と東海という名称で争っている韓国だが、韓国としては東海がユーラシア大陸の東にあるから東海だという主張をしていた。だから『西海』という名称が邪魔になったので、強く主張しなかった」という裏も書いています。

ただ、そもそも日本海の名称問題で論争になったのがそう昔のことではないし、ユーラシア大陸の東というのも、確かに韓国側からそんな主張をしているけど、時系列的にパッとしません。言うまでもなく、ユーラシア大陸で日本海を「東海」と呼んだりはしません。

個人的に思うに、日本海表記問題で韓国が必死になっているので、「日本海には『日本』という字が入っているから」がもっとも大きな理由ではないでしょうか。

私が小学生だった頃には、普通に先生から「西海とも黄海とも言う。韓国以外では黄海と呼ぶ」と教えられました。もちろん、黄海が「中国の公式名称」ということは分かりませんでしたけど。

韓国で西海・黄海論争がほとんど起きないのは、この「小学校でどちらを使っていいと教えている」というのも、大きな理由かもしれません。

 

 

 

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