「高麗葬は日本のせい」

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まだ2000年代になるまえから、「高麗葬は日本が韓国の墓を盗掘するために作り出した話だ」という主張がありました。いまでは、すっかり定説になっています。

高麗葬は、よく「親を山に捨てる」とだけ知られていますが、実は高麗葬が何だったかについては、いくつかパターンがあります。「本当に捨てるもので悪習として禁止された」、「山の洞窟などで親が1人で死ぬように放置し、後になって近くに遺体を埋葬するもの」、「様々な事情による、いわゆる風葬(遺体の風化を待つ)だった」、「誰のものなのかわからない墓をそう呼んでいた」などなど。ちなみに、実は高麗(ゴリョ)ではなく、高句麗(ゴグリョ)の風習だったという話もあります。個人的に、さすがに今の価値観からすると不愉快な話には間違いないですが、当時にはこの事案に対する、当時なりの見方があったのではないか・・と思っています。

ですが、この高麗葬、韓国では「日本のせい」ということになっています。こんな内容です。最近の記事として、「女性経済新聞」からまとめてみます。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

・高麗葬は高麗時代の韓国の文だったと言われているが、先に放送されたMBC「神秘なTVサプライズ」によると、高麗葬は、日本が悪意を持ってまき散らしたものだ

・高麗葬は韓国には一度も訪れたことのない米国の東洋学者ウィリアム・グリフィスという学者の「隠遁の国・韓国」で初めて出てきた

・日本が私たちの民族の誇りを落とし劣等感を与えるために高麗葬という悪習があったと嘘をついたのだ。

・日本が高麗葬という嘘をついたもう一つの理由は、文化財強奪のためであることが分かった。日本植民地時代、当時、韓国の墓を盗掘しようとした日本は、墓を荒らすための名分を作ろうとしたのだ

http://www.womaneconomy.kr/news/articleView.html?idxno=82375

 

まず、高麗葬という話が、併合時代に出版された、いくつかの「朝鮮の説話を集めた本(当時、このジャンルが結構人気だったと聞きます)」に載っているのは事実です。もちろんそれは日帝が作り上げたのではなく、併合時代になってから、ちゃんとした本が出版されるようになったからです。

それでも、韓国はそれらの本を「日帝が韓国人に劣等感を~」と主張してきました。もちろん、80~90年代には何も言いませんでした。確か、90年代末になってから「日本がー」と言い出した、と記憶しています。

 

そして、そういう人たちにとって、もっとも都合が悪いのは、併合時代になるまえ(1882年)に発売された「隠遁の国・朝鮮」です。それについては、引用部分にもあるように、「親日外国人が書いた本だからノーカンな!」という主張になっています。じゃ、ウィリアム・グリフィス氏が本にどう書いているのか?こういう内容です。

「朝鮮の王朝は、2つの悪習を禁止にして、民を喜ばせた。一つは親を生きたまま埋蔵する『高麗葬』で、もう一つは人を生贄として捧げる『人祭』だ。日本でも昔には似たような風習を見つけることができる」。これが「親日外国人が書いたからノーカン」にするような内容でしょうか。

趣旨は似て非なるものですが、前に『孝道契約書』というものを紹介したことがありますので、合わせてお読みください。

 

 

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