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キリスト教・・というか「ウリスト」教徒だった頃、ソウルのべらぼうに大きな教会に通っていたときのことです。

メインの礼拝が終わった後の、同じ教会内のコミュニティーによる集会では、いつも「神様への祈りは出来る限り詳しく、具体的に」と教えられました。詳しく言えないなら、せめて何十回何百回も繰り返して、長く祈りを捧げる努力をしなさい、というのです。「せめて20~30分は祈れるようになりましょう」とも。私は、5分祈るだけでも時間があまり過ぎで、いつも困っていました。

それに、その後は、出来る限り大きな声でそれを読み上げながら祈りなさい、というのです。しかも、祈りを書いた用紙をランダムで配って、他の人の書いた祈りを読んで、他人のために祈りを捧げるというイベントもありました。それを、出来る限り大きな声で、神様に届くように大きな声で、泣き叫ぶ感じで祈れるようになりましょう、と。

韓国ではこういう「泣き叫ぶ」祈り方を痛声祈祷と言います。「あなたがそんなに苦しんでいるのに、神様があなたを放っておくはずがありません」という理屈のもと、もっともっと「痛い痛い」と叫びなさい、というのです。まずうるさいし、長く祈れといってもすぐネタ切れするし、だからって何度も言うと、「大事な話だからもう一回言いますね」なニュアンスになるじゃないですか。なんか、私の方から神様を困らせるような気がして、恐縮でもありました。

 

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ちなみに、聖書には1ヶ所だけ、イエスが直接「こう祈りなさい」と教えてた祈祷文があります。意外なことに、1ヶ所だけです。日本では「主の祈り」、英語では「The Lord’s Prayer」、韓国では「主祈祷文」と呼びます。

『天にまします我らの父よ。ねがわくは御名〔みな〕をあがめさせたまえ。
御国〔みくに〕を来たらせたまえ。みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。我らの日用の糧〔かて〕を、今日〔きょう〕も与えたまえ。我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ。我らをこころみにあわせず、悪より救いいだしたまえ。国と力と栄えとは、限りなくなんじのものなればなり。アーメン』(これは日本のネットからそのままコピペしました)。

ちなみに、欧米の人たちが食事の前の祈りにもっともよく使うフレーズ「今日の糧食に感謝します」もここからの引用になります。とにかく、全然長くありません。

 

それに、この祈祷文を教える前に、イエスはこう話しました。ここは私が勝手にやった訳ですので、日本語聖書とは表現が違うかもしれません。

『祈る際には、奥の部屋に入って、戸を閉じて、誰にも気づかれない場所から見ておられる貴方の父に祈りなさい。誰も知らないところでご覧になられる貴方の父が、必ず応じてくださることでしょう。祈る際に、異邦人のように、長々と祈ることはありません。彼らは、言葉数が多いほど、祈りも聞きいれられるものだと思っているようです。そんなことを真似する必要はありません。あなたの父である神は、貴方が求める前から、貴方に必要なものが何なのかをご存知なのです。だから、貴方は祈る際に、こう祈りなさい(この後、主の祈りを教えてくれます)』。

 

どう考えても「誰もいないところで静かに祈りなさい」な内容です。「もっと長く!泣け叫べ!後10分祈れないやつはキリステるぞゴルァ」とは書いてません。でも、だからといって教会の講師たちに「おい異邦人、話が違うぞ」と突っ込むわけにもいかないし、いろいろ気まずくて、2~3ヶ月後には、礼拝だけ参加するようにしました。

 

日本に来て、神社でご祈祷を受けるようになったとき、事前にHPをチェックしていたら、願いを「書く」じゃなくて、「該当するものにチェックしてください」と書いてあって、ビックリしました。しかもカテゴリーがかなり曖昧で、「これ以外は『心願成就』にしてください」と。

神社で参拝するときだって、二礼二拍手一礼の間に「具体的に、長く、叫ぶ声で」願いを言うなんて不可能です。まさに『心願(心から願っている)』として成立するものなら、それを口にする必要は無いということでしょうか。心願でもないものを口にするのはさらに必要ないのでしょうし。私の場合は、二拍手の後に「ありがとうございます」とだけ申し上げます。

 

キリスト教会と日本の神社はぜんぜん違うはずなのに、あの時に聖書で読んだイエスの教えと一脈相通ずるのは、韓国キリスト教で十数年も教えられたことではなく、むしろ日本に来てから神社で見て、感じた何かではないのか・・ふっとそう思う、今日この頃です。

 

 

 

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