韓国、2005年の「司法改革」で作った規定を、2020年の「検察改革」で無効化

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最近はあまり扱っておりませんが、文在寅政府の「検察掌握」と検察内部からの反発は、今でも韓国内では大きな話題であり、トップニュースの定番です。

チョ・グク氏の後任で法務部長官になった、共に民主党代表出身のチュ・ミエ氏。彼女は、露骨なほど、「言う事聞かない」検事たちをを追い出しました。おおまかに方向性だけ説明しますと、、蔚山(ウルサン)自治体長選挙に大統領府が介入した情況に関する捜査と、チョ・グク氏およびその家族に対する捜査において、重要なポジションにある検事たちを、次々とそのポジションから追い出しました。

反面、ユン・ソクヨル検察総長を中心とする検察は、このまま潰されるわけにはいかないと判断、大統領府が蔚山自治体長選挙に介入したことを捜査しないといけないとし、大統領府に家宅捜索を試み、大統領府がこれを拒否するなど、もはやただの感情争いになって久しい気もします。

そんな中、国会が大統領府に対する控訴状公開を要求しましたが・・意外な展開となりました。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

まず、選挙介入とは、韓国で言う「下命捜査」の件です。大統領府が、警察に「~を捜査しろ」と命令したという意味です。2018年地方選挙(自治体長選挙)当時、大統領府の民政秘書官(簡単に言うと、当時民政首席だったチョ・グク氏の部下です)が、自由韓国党が有利だった蔚山の現役市長の周辺人物に対し、「不正の疑いを捜査しろ」と命令を下した、というのです。その民政秘書官はすでに自分で命を絶ちました。もし本当なら、下手すればチョ・グク氏本人はもちろん、文在寅大統領にも大きなダメージになりうる事件です。

この件で、大統領府と検察のレベルの低い戦いが長引くこととなり、国会が法務部に対して「控訴状の公開」を要求しました。韓国では、国会が法務部に対し、控訴状の公開を要求できます。控訴状には、大統領府関係者13人の名前が載っている、と言われています。

 

ですが、チュ・ミエ氏・・韓国の左派支持者からはジャンヌ・ダルクのような人だとして『チュダルク』と呼ばれているそのチュ・ミエ氏が、『この件(大統領府下命捜査の件)から、控訴状の公開をしないことにした』と発表しました。

理由は、去年12月、チョ・グク氏が法務部長官だったときに「人権を守るため」作っておいた「刑事事件公開禁止などに関する項目」を守るため、だそうです。当時から検察改革を謳っていろいろ消したり直したりしていましたが、その中の1つです。

ここまで、引用はしていませんが、もっとも参考にしたソース記事は「ニュース1(下のURL)」です。

https://news.v.daum.net/v/20200205093851610

 

それでも何かの方法で控訴状の内容が一部マスコミに流れており、チュ・ミエ氏は「どうやって漏れたか、調べてみればわかることだ」と話しています。

しかし、実はこの「国会が控訴状の公開を要求できる」件、2005年、盧武鉉政府が「司法改革」として作った規定でもあります。こうあっさり守らなくなっていいのでしょうか。15年前に司法改革として作っておいた規定を、検察改革を謳う現政権でなかったことにしたわけです。しかも同じ左派政権で、文在寅大統領は盧武鉉氏の右腕、盟友だったのに。

今『検察改革』しておいて、意味があるのでしょうか。多分またすぐ、誰も守らなくなるでしょう。司法改革であれこれ直す→検察改革で守らなくなる→次の政権の◯◯改革でまた守らなくなる→次の政権でまた・・・

 

 

 

 

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