GSOMIA持続を『暫定措置』にしないと、総選挙で勝てない?

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韓国で行われているGSOMIA関連の世論調査が、すべて「韓国がいつでもGSOMIAを破棄(韓国で言う『終了』)できる」を前提にしていることが分かりました。

まず、リアルメーターという世論調査機関による、「GSOMIA終了(破棄を韓国ではこう言います)」に対する世論調査結果を見てみましょう。2020年2月17日発表のものではありますが、調査したのは14日。一部のマスコミが「政府内でGSOMIA終了の主張が強くなりつつある」と勝手に盛り上がっていた頃です。

結論から言いますと、世論調査の結果は、「十分待ったからもう終了すべきだ」が44.9%、「十分待ったわけではないからまだ終了すべきではない」が37.9%。「いつでもGSOMIA終了できる」とする韓国側の発表内容を、前提としていることがわかります。ソース記事はニュース1です。

https://news.v.daum.net/v/20200217093013663

 

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さて、去年まで遡ってみましょう。韓国政府が「GSOMIAを持続する(韓国側で言う『終了を猶予する』)」とした直後の、去年11月23日と24日、MBCがコリアリサーチという会社に依頼して行った世論調査結果です。こちらは当時のMBCからの引用です。

なんと、70.7%の応答者が「よくやった」と答えました。「そのまま終了すべきだった」は17.5%。ここで注目しないといけないのは、同じ調査にて、『もし日本が輸出規制を撤回しなかったら、どうすればいいと思うか』という設問もあったことです。「その場合は、終了する」が53%、「それでもGSOMIAを維持する」は41.5%。一番先に紹介した調査結果(今月のもの)と似ている気がします。

https://news.v.daum.net/v/20191125170928007

ちなみに去年11月7日時点では、終了賛成が48.3%、終了反対(維持)が37.6%でした。こちらも、今月の調査とほぼ同じ位だと見ていいでしょう。

https://news.v.daum.net/v/20191107114445497

 

日韓GSOMIAは、韓国内で、「日本に対すること」と見るか、「米国に対すること」と見るかで、賛否が大いに揺れる事案です。あえて極端な言い方をするなら、GSOMIA終了は反米左派、維持は親米右派の世論だと見ていいでしょう。

ただ、「GSOMIA終了」を支持していた人たちでも、「日本が輸出規制を撤回する条件で、終了を猶予した」の場合には、GSOMIAを持続してもいいと考えていることがわかります。一般的には、反米より、反日が強いからです。だから終了猶予に賛成する声が70.7%まで上がったのです。

言い換えれば、GSOMIA終了を支持していた人たちが、文政府の「GSOMIA持続(終了猶予)」決定に対しても、大して文大統領を責めなかったのは(そういう声が無かったわけではありませんが)、それが『日本を負かしたもの』だからです。いや、そうだと信じていたからです。

 

なぜカン・ギョンファ長官及び高位公職者たちが、『GSOMIA終了猶予は暫定的なものだ』としながらも、そのことを対外的には言わないのか。いや言えないのか。その理由が、この3つの世論調査の数値から見えてくるわけです。『日本が約束を守らないでいる。ああ困った。でも対外的には言わないでね』を維持していないと、与党側は、4月の総選挙で大きな支障をきたすことになるでしょう。そう、いつものあのパターンになりました。『日本がそう言ったかどうかはどうでもいい。そう言ったことにしないといけなくなった』。

 

 

 

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