他人の恨みをどう解決するか

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韓国の巫俗(ムソク、民間信仰)は、宗教になることは出来ず、未だシャーマニズムとして残っています。だから、韓国には独自の伝統宗教と呼べるものがありません。とはいえ、随分古くからあったのは事実で、その中には「鬼神(キシン)」に関する伝説も、いろいろあります。鬼神とは、中国から入ってきた言葉で、死んだ人の霊を言います。

前にも何度か書いたことがありますが、韓国の巫俗は強い『シン(神、何かの霊)』を呼び出して、弱いシンを追い出すことが基本となります。だから、術士は強いシンを所有していないと(または何かの契約を結んでいないと)力が出せなくなります。朝鮮半島では代々、「強いシン」とは、「強い恨(ハン)を持つシン」を意味しました。

恨みの強さが、そのままシンの強さになったのです。

 

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恨が強いシンとは、生まれてすぐ死んだ赤ちゃんのシン(赤ちゃん鬼神)、Hができずに死んだ男性(總角鬼神)、または女性(処女鬼神)が代表的です。

總角(チョンガク)は日本語のチョンガーの語源(多分)で、もともとは若い未婚の男を意味しますが、この場合は経験が無い男、という意味になります。処女もまた、韓国では未婚の女性を意味しますが、この場合は経験が無い女性、という意味です。

 

特に、処女鬼神になりそうな人が死んだ場合(若い女性が亡くなった場合)、町の人たちにとっては大きな悩みだったそうです。処女鬼神になって「化けて出る」と、大変ですから。だから、ある方法で、処女鬼神が出てくるのを防ぎます。

その方法とは、「街の十字路(人がもっとも多く往来する場所)に、女性の遺体を、うつ伏せで埋める」ことです。もちろん、街の人たちには内緒で埋めておきます。大勢の人に『踏まれる』ことで、その恨みを無くすという発想です。それでも万が一化けて出た時を考えて、うつ伏せにし、地面の上に出てこれなくしたのです。

性的な意味ではありません。踏みつけられることで、その恨みが弱くなる(恨みを諦めることになる)という意味です。実はこの方法韓国(朝鮮半島)の人たちが「恨(ハン)」をどう思っているのか、垣間見ることもできます。

自分の「恨」は、万人が同意すべき、世の中の正義であるべきと主張しますが、他人の恨は、大勢の人で踏みつければ何とかなる、と思っていたわけです。

 

ちなみに、チョンガー鬼神に対しては、このような話はありません。チョンガー鬼神が現れたけど、婦人が下着(今どきのような下着ではなく、下半身の肌着のようなもの)をやったら、チョンガー鬼神はそれをもらって大人しく消えた、とかそんな話ならあります。

 

 

 

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