『この仏像は、故国に帰ってきたくて、泥棒の力を借りたのだ』

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2012年、対馬から盗まれた仏像(銅造観世音菩薩坐像)関連ニュースがありました。新しい動きはありません。いまでも裁判が続いています。記事の内容も、<・・この仏像は、2012年10月キム某氏など国内文化財窃盗犯が日本対馬の観音寺から盗んだ後、国際旅客船を介して釜山を経て密搬入し国内に姿を現した。窃盗犯が、当時の日本対馬神社とお寺で盗んできた仏像2点の中の1つだ。高麗時代に製作されたものと推定されている仏像は、所有権をめぐり韓日間の議論が続き、収蔵庫に滞在するしかない状況だ・・>と、ただそういう状況だ、という内容だけです。でも、本エントリーで紹介したいのは、記事内で紹介されている、韓国側の寺の仏教徒たちのセリフです。

その中のひとりは、こう言いました。『いったいどれだけ祖国に帰ってきたかったら、どろぼうたちの力を借りてまで帰ってこられたのでしょうか』。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

以下、寺の人たちの話した部分(記事で❝~❞で紹介されているもの)を紹介します。全て、ソース記事は朝鮮日報です。

・「釈迦誕生日にも収蔵庫に閉じ込められているなんてあまりにも悲しいです。どれほど故国に帰ってきたかったら、窃盗犯の力を借りて帰ってくるようになったのでしょうか」

・「政府が1審の判決直後に控訴したのは、文化財還収義務を果たさなかっただけでなく、日本の顔色を気にしているだけではないか」

・「刑事裁判で本物だと鑑定されたから窃盗犯を処罰したのだろう。もう時間をかけずに判決を急いでほしい」

 

・「1審直後に仏像が寺に戻ってくるだろうと期待して涙を流したのに、釈迦誕生日にも窮屈な収蔵庫にあるなんて、あまりにも残念です」

・「信徒と地域住民は、良い結果が出て仏像を寺に帰ってくる日だけ心待ちにしています」

https://news.v.daum.net/v/20200502154335083

 

自分に有利な話を作るため、仏像がどろぼうと手を組んだという設定を作り出す』ことが、この人たちの仏心なのでしょうか。『日本の行間』にも似たような趣旨を書いていますが・・仏像に霊的な力があるなら、きっとこう思っておられましょう。「こんな人たちと一緒にいたくない。早く祖国(日本)に帰りたい」。

余談ですが、この仏像の所有権を主張しているのは「浮石寺(ブソクサ)」と言いますが、慶尚北道に同じ名前の有名な寺があって、検索などには慶尚北道の浮石寺がヒットすることがほとんどです(韓国でも、この件の寺を慶尚北道の浮石寺だと思っている人がそこそこいます)。でも、本件で問題になっている寺は、同じ名前ではあるものの、忠清南道の瑞山(ソサン)市にある、別の寺です。

 

 

 

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