『相手を悪いというな。私が偉いと言え。そうすると嫌われることもない』???

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一応、朝鮮日報の記事からの部分引用になりますが、本エントリーとソース記事の趣旨はまったく別となります。ソース記事はリンクだけしておきます。外部リンクにご注意ください。

韓国で論客とされるチン・ジュングォン(陳重權)氏が、未来統合党にアドバイスした内容、ということになっていますが・・引用し、少し文章を直してみると、こうなります。

「相手より自分が優れているとしないといけない。相手を『悪い奴』にするのではなく『劣っていっる奴』にしないといけないのだ。罵るのではなく、相手より私が前を走っているという感じを与えなければならない。そうすると、自分は嫌悪・忌避の感情を受けずに済む」。一行で、「相手を『悪いやつ』ではなく『劣っているやつ』にしろ」、というのです。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

「あいつは悪いやつだ」というと、「そんなこと言うなよ」と批判されることもある。しかし、「あいつは劣っている」、言い換えれば「私はあいつより偉い」という感じを与えると、批判されずに済む、という内容になりますが・・いや、いくらなんでも、これはちょっと。

ちょうど今月7日、本ブログは「あいつは落後(落伍)している。私と意見が違うのが根拠だ」というエントリーで、「韓国社会では、自分と意見が違う人を『落後している』と決めつける」と書いたことがあります。大学教授が、対日政策で意見が違う人たちを「落後している」と表現している、そういう内容でした。

 

そういえば、最近韓国で発売された日本関連書籍に、『日本、悪い国ではなく痛い国だった』という題のものがあります。韓国の通販サイトから書籍の要約を読んだだけなので本そのものに対する評価はできませんが、基本的に『悪いという価値すら無い。むちゃくちゃな痛い国だ』というものでした。

実はこれ、新刊となる『高文脈文化 日本の行間~』でも似たようなテーマを書いています。韓国では『悪い』というのも結局は上下関係の一つの現れでしかありません。だから、「お前は悪い」は「お前は『下』のやつだ」という意味になります。どことなく、社会の人間関係そのものが、「お前は惨めなやつだ」と相手に植え付ける、イジメ問題の心理とも似ています。

暴力で殴るのではなく、言葉で相手を蔑視します。「お前はダメなやつだ、お前はダメなやつだ」。それで、自分が相手より優れた人間になれたような、そんな快楽を味わうことができるからです。日本を「悪い国ではなく痛い国だ(悪いという価値もない、ただ嘲笑え)」としたのも、似たようなやり方かもしれません。

 

「相手を悪いやつだというのではなく、私が優れていると示せ」。しかも文章のニュアンスが、優れている『感じ』を与えろ、すると批判される(嫌われる)こともない・・となっていて、さらに困ったものです。ある意味、相手を上下関係に弱い韓国社会ならではのアドバイス、すなわち韓国で有効といえば有効なアドバイスだと言えなくもないでしょう。しかし、こういうのを『こうすると批判されずに済む』というのは、さすがに、悲しすぎないかな・・そんな気もします。こんな文章を書くと、しばらくはかなりキツイです。まだまだクモリ経験値が足りないようです。

 

 

 

 

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