何も変わっていない韓国・・1995年の「破墓」関連記事

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いまでは左派思想の本拠地とも言える光州(クァンジュ)ですが、ソース記事が書かれた1995年(5月18日)には、まだ光州といえども、行政・公安当局は反共思想が強い状態でした。それを背景にお読みください。

一つ前のエントリーで、いわゆる親日派たちの破墓関連の動きをお伝えしましたが、実は1995年、「反共」を理由に、似たような事件がありました。

非転向長期囚というものがあります。例えば、朝鮮戦争のときに韓国軍の捕虜になって、それから思想の転向を認めず、ずっと囚人となっていた人たちです。そのまま亡くなったり、さすがに年を取りすぎで釈放となったりもしました。

 

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その非転向長期囚の一人、ユン・ギナムという人の墓は、光州の518墓域(光州民主化運動関連者たちの墓地)にありました。合法的なものではありますが、その時、市民団体がユン氏の葬式で『愛国の闘士』と話したり、なんで非転向長期囚が518墓域に眠るのかなどで、かなり論争がありました(確かに、非転向長期囚の墓を何故518墓域に作ったのでしょうか?)。軍事政権だったなら、絶対にダメだったでしょう。それから約2ヶ月後、ユン氏の墓が、破墓され、何の法的手続きも無しに別のところに移転となりました。妻など、遺族も韓国に住んでいましたが、誰にも何の連絡も無かった、とのこと。

 

ちょうど、軍事政権が数々の不正で終わり、518墓域も民主化運動として注目を浴びていた頃です。518墓域を訪れる人たちが、非転向長期囚の墓にまで頭を下げるのを、黙ってみているわけにはいかなかった、そんな理由だったと言われています。その際の、ハンギョレ新聞の記事を一つ紹介します。

<光州市民たちは、去る15日(1995年5月)にマンウォルの518墓域から、非転向長期囚であるユン・ギナム氏の墓が違法的に掘り返された事件に、衝撃を受けている。公権力が、すでに命を亡くした人の思想を理由に、倫理と法律を無視したまま独断を起こしたからだ。光州地域の行政・公安当局が破墓を敢行した理由は簡単だ。民主聖地化しつつある518墓域に眠る資格など、非転向長期囚には無いというのだ。大勢の公職者と追悼客が頭を下げる518犠牲者たちの中に、非転向長期囚の墓が含まれるなど受け入れられないというのだ・・>

 

一つ前のエントリーの件は、法律を作ろうとしているから『違法的なもの』ではないかもしれません。ある意味、法を勝手に作るというのがもっとも恐ろしい違法とも言えますが・・

どうであれ、「公権力が、すでに命を亡くした人の思想を理由に、倫理と法律を無視したまま独断を起こした」こと、「(思想が合わない人の墓に)人たちが頭を下げるのを、受け入れるわけにはいかない」こと。すべては、1995年の保守派がやったことも、2020年に左派がやろうとしていることも、同じではないでしょうか。

たかが死んだ位で、許されると思うな・・・恨(ハン)の恐ろしさ、そして醜さがよくわかる、そんな内容です。

 

 

 

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