訳に困る

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北朝鮮の有名飲食店「玉流館」の厨房長(料理長)が、文在寅大統領をバカにする内容の発言をしました。「朝鮮の今日」という宣伝メディアで紹介された、とか。確か、文在寅大統領はこの玉流館で冷麺か何かを食べたことがあります。

文大統領が困っているかどうかは分かりませんが、シンシアリーはすごく困っています。その料理長が、文大統領が麺を『チョモクタ』としましたが、これ、なかなか日本語に訳できないからです。

チョモクタ(처먹다)は、「食べる」をものすごく見下す論調の言葉です。もともとは皿ごと持ち上げてカツカツと食べる姿を表す言葉ですが、それが昔としては「身分の低い人たちの食べ方」だったので、言葉そのものが相手を見下すことになったわけです。ちょうど「高文脈文化日本の行間~」にも書いた内容ですが、相手を見下す表現がもともと少ない日本語、しかも「食べる」に敬意を払う日本的考え方もあって、本当に訳が難しいです。一応、本エントリーでは「食べやがった」あたりにしました。日本語を韓国語に訳するときには、日本語の敬の表現を韓国語にできないから困る、韓国語を日本語に訳するときには、韓国語の蔑の表現を日本語にできないから困る、そんな毎日です。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

訳せなくて、面白かった・・というのが本題ですが、一応、ソース記事でも部分引用してみます。ニュース1の記事です。

<ハ・テギョン未来統合党議員は13日、北朝鮮の玉流館料理長が対外宣伝媒体を介してムン・ジェイン大統領を非難したことについて、「竹槍がどうとかしていたチョグク部隊は何をしている」と話した。ハ議員はこの日、自分のFacebookの投稿記事で、「北朝鮮の厨房長まで文大統領を嘲弄しているのに、抗議の一言もできないのが、『親文』の言うろうそくスピリッツなのか」とし、このように書いた。

 

北朝鮮の対外宣伝媒体である「朝鮮の今日」はこの日、玉流館料理長が文大統領に向かって「(文在寅大統領が)平壌に来て、玉流館の冷麺を食べやがった時は、何か凄いことでもやりますよって感じだったのに、彼はそれから何も出来ませんでした」という発言を伝えた。

※この文章もまた、うまくニュアンスが伝えられませんね。本文は、ものすごく相手を見下す論調です。『あいつね、冷麺ばかりおいしくチョモくてさ、偉そうにしただけだったじゃん?それから何かやった?』とか、そんな感じです※

 

ハ議員は「北朝鮮の大統領冒涜が度を超えた。もし、日本で文大統領をそんなふうに冒涜したなら、親文が静かにしていただろうか」、「竹槍だけでなく、戦争しようと言っただろう」とした。

ハ議員は「ビラは名分にすぎない。目的は、文在寅大統領と韓国を踏みにじることだ」と「北朝鮮がいくら冒涜し踏みにじっても、韓国はそれに順応する奴隷国として生きてほしいというのだ。北朝鮮の脅迫に相次いで屈服する姿を見せるから、北朝鮮があんな態度を取り続けているのだ」と主張した・・>

https://news.v.daum.net/v/20200613144556207

 

慰安婦問題は名分にすぎない。韓国の目的は、日本を踏みにじることだ・・にすると、文章が成立するところが、また。

いつだったか、日本の記者さんが討論番組に出て「文在寅氏」と呼んだのがかなり問題にされましたから・・確かに、日本の料理長が「文大統領、日本に来て寿司をチョモクってさー」とか話したら、脳内戦争にはなるかもしれません。いや、ちょっと・・文大統領、日本に行ったことありましたっけ?(笑

 

でも、久しぶりに、実に久しぶりにほんの少し晴れた方向に考えてみると・・料理長としては、こんなふうに言っておかないと、玉流館の人たちが困る事態になったかもしれません。「あの店の料理長が南朝鮮の首領のために冷麺を作ったらしいよ」、「あのとき、一緒に来た外交部長官が、おいしいって親指ビシッと立てて超キモかったよねー(※実話です)」とヒソヒソ言われたり。

 

 

 

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