元・主体思想派運動家「親日残滓など、無ければ作ればいい」

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運動圏(民衆運動家)、しかも「主体思想派(ジュサパ)」出身の人が、運動圏の観点から「反日」を論じている記事(寄稿文)を一つ紹介します。今は、普通に暮らしている方です。

本ブログの読者の方々にはこれといって目新しい点は無いでしょうし、慰安婦がー日本がーな内容も多く、全体的に見ると、本ブログとしてはパッとしません。でも、左派陣営の反日を『ファンタジー(原文ママ)』としており、現政権に批判的なスタンスを取っています。韓国では、民衆運動家出身の人が左派陣営を批判するのは凄く珍しいことです。珍しいものみたさで、紹介します。

特に、「親日残滓など、無ければ作ればいいものだった」とした部分は、うまい一行だな、と思いました。ソースは「新東亜」です。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

以下、運動圏の視点に絞ってみると、ですが・・1980年光州民主化運動をきっかけに、韓国の民衆運動は多様さを失くし、攻撃的な闘争を支持する人たちが実権を握るようになります。彼らをNL派(民族解放派)と言います。確か、拙著やブログでも紹介したことがあります。彼らは「反米」の形をした「親北(従北)」のために動いていたし、そのために必要なものは、反日でした。反米する!と言うと叩かれるし、従北する!と言うと逮捕されたけど、反日する!と言うと褒められたからです。それから金大中・盧武鉉氏が大統領になって、左派勢力が大いに成長し、またそれから李明博・朴槿恵氏が大統領になり・・・セウォル号沈没事故がありました。ここから引用します。

 

・2008年と2013年には、相次いで保守政権が出現した。しかし、政治的エネルギーは、逆に、左派陣営に蓄積されていた。1次ベビーブーム世代(1955〜1963年生まれ)が50代になって本格的に社会の中枢になっていた。 2次ベビーブーム(1968〜1974年生まれ)世代は、年出生者だけで100万人に達する最大の人口集団で、1990年代初頭の学生運動の洗礼を集中的に受けた集団であった。彼らを足場にし、左派思想寄りの教授、市民団体、NL(民族解放派)出身の活動家たちが次々と政界に進入していた

・狂牛病やセウォル号沈没事故など、保守政権で発生した事件が持つ意味を、どのように解釈すべきか。騒がれたほど、韓国社会に及ぼす影響は、具体的でもなければ直接的でもなかった。盧武鉉元大統領の死の法的責任が誰にあるのかを決めるのは、思ったよりも複雑な問題であった。これ政治的にどのように解釈するかも非常に微妙な点であった。にもかかわらず、左派陣営の強硬派が主導権を握った。彼らは冷静な判断と調整ではなく、保守政権を倒さなければならないという思いだけで、次のように、状況を簡潔にまとめた。「復讐!」、 「これが国か!」、そして「再び親日派が復活する!」

 

・危険な扇動と談話が次々と行を作った。陰謀、ファンダム、レトリック(rhetoric)、陣営論理(※ウリとナムのような色分け)が、状況を圧倒した。でも、それだけでは足りなかった。それらすべてを貫通するストーリーが必要だった。戦後80年近く経った時点で、親日残滓など、見つけようとしたところで見つかるはずもない、雲をつかむようなテーマであった。でも、無ければ作ればいい。最終的に、政治的な反対派を効果的に軽蔑し、嘲笑できる、集団的な新造語を見つけた。19〜20世紀でもなく、12〜13世紀までさかのぼり、正式な軍隊や国ではなく、高麗と朝鮮の国境を略奪していた盗賊の群れに喩えた。私たちに反対する誰かを、ひとくくりに規定できるフレーズであり、2020年代を記念するに値する単語、それが「土着倭寇」だ

https://news.v.daum.net/v/20200621100121517

 

運動家(活動家)出身の方が書いた文だから当然かもしれませんが、話は民衆運動勢力に絞られています。しかし、個人的に、別に運動圏だけの問題ではない、とも思っています。様々な陰謀、レトリック、レッテル貼り、そして『どうすれば相手をバカにできるのか』を最優先で考える、不愉快なフレーズ。そして、それが『どうすれば私を偉く見せられるのか』と同一の効果をもたらす社会。これは、右も左も、上も下もなく、韓国社会全てを貫いています。過去も、現在も。

 

 

 

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