韓国は、朝鮮式人民民主主義(民衆民主主義)を望むのか

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昨日も紹介した民衆民主主義(人民民主主義)ですが、似たような記事をもう一つ紹介します。政府も問題だけど、国民も「社会主義な何か」に慣れている、という指摘がありました。

この記事で指摘している内容は、私は「さすがに配給制は嫌だけど、ある程度まで国が役割を果たすことまで『社会主義だ』というのは、間違い。要はバランス」と思っています。

しかし、どことなく、『なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか』で話した『ゴンチャ(代価を払わないでいいもの)』の概念とも一脈相通ずるものがありました。私の読み方のせいかもしれませんが。その部分を中心に紹介したいと思います。昨日と同じくデジタルタイムズ、部分引用です。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

<・・気になるのは、過去3年間の文政権のポピュリズム政策により、国民が社会主義的習性に深く染まってしまった事実である。青年層は、無償教育と無償診療、公共賃貸住宅などを当然の福祉政策だと思っている。すべての国民に生活費を配る所得分配制度にも、抵抗が無いと言う。国から受けるだけの無料配給制に酔ってしまったのだ。

これは、まるで徐々に熱くなる鍋の中でゆっくりと死んでいくカエルのようなものだ。韓国民主主義の根本的な土台が、為す術もなく崩れている。社会主義の最終的な目標は、生産手段私有化の完全撤廃である。(※文政府の)私有財産の撤廃は、中国毛沢東時代や、スターリン治下の旧ソ連のような強制的な方法ではなく、徐々に進めることになるだろう。

 

税金はますます重くなり、企業や個人は、より多くの規制に苦しまなければならず、雇用と解雇はあまりにも難しいものになるだろう。増税と規制の拡大は、経済を弱体化させ、多くの国民が貧困層に没落することになる。先に南米ベネズエラが、似たような道を歩いた。チャベス政権下のベネズエラは「積弊清算」を掲げてポピュリズムと社会主義、民族主義が入り混じった「ボリバル革命」を推進したが、19年ぶりに国家破産に瀕している・・>

https://news.v.daum.net/v/20200630190722913

 

この記事、『北朝鮮式民主主義との融合(連邦制統一)のための下準備ではないのか』という趣旨なら、それは大当たりだと思います。でも、「社会主義化」はちょっと違う、と私は思っています。

見方にもよりますが、社会主義にとって真の公正は、全てがゴンチャに限りなく近い、そんな社会だと見る事もできるでしょう。そう考えると、記事での「韓国(特に青年層)の社会主義化」は確かに問題です。

しかし、そもそもそんな社会が出来るはずもないけど、もし出来たとしても、そんな社会主義は、韓国では長くは続きません。韓国社会なら、こうなるでしょう。

 

1日にりんご1個分しか稼げないAさんがいました。Aはりんご3個分稼げるBを金スプーンとし、国がなんとかすべきだとします。そして、ある日、『国が毎日りんご2個を配る』社会になりました。りんご3個分稼ぐBは「今までの私の苦労は何だったんだ」と、その制度に反対し、積弊として清算されました。しかし、しばらくすると、Aはこう思います。「私は、毎日りんご3個もらえて『当然』だ。いままでBと戦った苦労があるから」。ここでいう『当然』が、北朝鮮式人民民主主義です。彼らの言う、真の公正です

 

ここでAの思う『当然』に行けるところまで行ったのが、北朝鮮です。憲法には社会主義と書いて国名には民主主義の字が入っているし実際は独裁+貴族制でしっかり世襲。北朝鮮式人民民主主義です。差別も公正です。当然だからです。韓国では、これを「民衆民主主義」と呼びながら、市民団体の政治勢力化と相まって、市民が主役になる世界だと主張しています。韓国社会が心配すべきは、こちらでしょう。これは「社会主義」とは違います。

 

 

 

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