「歴史は家系図だ。勝手に書き換えていい」???

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筆者シン・ソンデ氏の文は前にも読んだ記憶がありますが、ソースとなるサイトは始めて見ました。京畿(キョンギ)デイリーという、京畿道のローカル情報サイトです。

コラムの趣旨は、『独立軍も親日派も、昔の時代を頑張って生きただけだ』とするものですが、その中で、「韓国人は、歴史を自分の家の家系図だと勘違いしている」という内容が非常に興味深かったので、部分引用してみます。

<・・歴史がまだ分かっていない民が情けない限りです。歴史とは、自分の家系図ではありません。勝手に書き直すものではなく、「ありのまま」が歴史です。 ありのままを受け入れ、そこに照らして将来の方向を定めるために哲学するものです。ありのままを直視できないのは、卑怯です。

 

(ここから「続きを読む」の後になります)

何よりも歴史は、その時代を生きていた人々のことです。当時はそうするしかなかったし、誰もがそう受け止めました。独立運動する人も親日だった人も、互いに恨み合って殺し合うことはありませんでした。それぞれ自分が置かれた境遇から、自分の運命通りに生きて、帰っていっただけです。それをなぜ、その時代とは遠く離れた未来の価値観を基準に判断し、審判するというのですか。神でもそこまではしません。傲慢で無知で蒙昧なことです。

 

「死者名誉毀損罪」まで作って啀み合う民族です。いずれ「先祖名誉毀損罪」まで作るのではないでしょうか。過去の歴史の清算?積弊清算?知らない人からすると、歴史を尊重する民族だなーと誤解することでしょう。過去に執着するのは、現在に自信がなく、将来が不安だからです。その心理を利用して、ヒトラーナチズムが生まれ、ロシア革命が起こったのです。今の大韓民国の姿は、ジョージ・オーウェルの「動物農場」に書かれた状態とあまりにも同じです。大韓民国で、ロシアや中国、北朝鮮よりもずいぶん遅れて、その現象が現れているのです・・>

http://www.ggdaily.kr/sub_read.html?uid=93498

 

良い文ですが・・二つだけ、ツッコミさせていただきます。まず、これは多分、皮肉で書かれたものでしょうけど、一応。家系図でも勝手に書き直してはいけません。韓国社会では、それを捏造する風潮が戦後になってからもしばらく続きました。いまでも、「家系図は見たこと無いけど、うちは両班の家系」と話す人が結構います。前にも紹介したことがありますが、朝鮮後期になってから自分の家系図を捏造する人たちが増えた、とも。もう一つは、『ちゃんと恨んで殺し合いました』。独立運動が終わってからも、軍政期間中に、独立運動家同士でも恨み合って殺し合いました。

 

それはともかく、韓国人が歴史を「自分の家系図」だと思っているとするのは、面白い皮肉です。家系図を書き直すのを自分の権利だと思っているなら、それは、親への恨みでしかありません。ありのままの親なんか必要ないと言っているものですから。これって、いまの「金スプーン、土スプーン」の話と似ています。匙(スプーン)階級論って、実は自分自身ではなく自分の親への不満の現れですから。

『気に入らない。私には書き直せる権利がある』とする考えが反日思想にどれだけ強く現れているのかは、あえて書き加える必要もないでしょう。そういうのも、「歴史は自分の家系図」説の拡張版だと言えるでしょう。金日成という名の家系図が北朝鮮で、臨時政府という名の家系図が韓国だとすると、なるほど、全部書き直したものになります。

 

 

 

 

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