韓国の反日は、『自国の主権を守るため』じゃない。『日本の主権を奪うため』である

私がよく使う「韓国は、『朝鮮→大韓帝国→日韓併合→大韓民国』を認めず、『朝鮮→大韓帝国→臨時政府→大韓民国』を真実とする。それが反日思想に大きな影響を及ぼしている」論を、私が書いた文以外では初めて見ました。紹介します。

なんでもかんでも左右・または上下に分かれて殴り合うことになる韓国。もはや、右派は右派、左派は左派という構図が異常なほど鮮明になっており(同じ国家の歴史を共有しているという自覚すら無いように見えます)、そこから『右派(保守派)は親日』という誤解が生じることもあります。左派+反日の構成でブログや原稿を書く時にいつも書き加える内容ですが、反日は韓国の『総意』であり、そこに右も左も、上も下もありません。

 

いまさらですが、軍事政権は、もっと『国家』としての大韓民国をハッキリすべきでした。もともと韓国は、保守右派は「国家」としての大韓民国を優先し、左派は「民族」を優先します。だから、右派からすると、北朝鮮は韓国という国家の一部を違法占領している違法団体にすぎません。左派にとっては、韓国は民族国家になれなかった失敗作にすぎません(この理屈だと北朝鮮も失敗作ですが、なぜかそこは誰も言いません)。

 

軍事政権は、『朝鮮、大韓帝国とは別の、独立した国』としての大韓民国をもっとハッキリ示すべきでした。それを、大韓帝国の継承者とか、併合は無効だとか、全斗煥氏の場合は「臨時政府の法統(正統性の承継、朴正煕氏はこれを憲法前文から消していました)」復活とか、そんなものにこだわりすぎで、「民族主義と親北思想の融合」を防ぐことが出来ませんでした。国内向けの人気取り、そして民衆を制御する手段とするために放置した「自民族優越主義思想」が、民衆運動と融合、親北思想の浸透経路になってしまったわけです。しかも、その民衆運動の中心には教育界があったから、なおさらです。

 

 

それをかなり鋭く指摘するコラムがあったので、紹介します。前にもブログや拙著などで、2~3回はこの話を書いた記憶がありますが、韓国側の記事で読むのは初めてです(臨時政府の字はありませんが)。以下、韓国日報、イ・チョル延世大学校法学大学院教授です。

<・・1965年、朴正煕政府が韓日基本条約を締結し、日本の支配を受けていた時に締結した条約が最初から無効という立場を堅持したのは、よく知られている。1986年、全斗煥政府は大韓帝国が締結した国際人道法条約がまだ効力を持続することを確認し、日本による併合の不法無効と、大韓帝国と大韓民国との間の同一性と継続性を確認した。

韓国人のしつこい反日感情の根を、檀君の子孫という血縁民族主義で探そうとする人もいる。しかし、韓国の民族主義は、血縁の神話ではなく、主権の記憶から来ている。韓国人の意識を構成する種族的アイデンティティも重要ではあろうが、より強力な動力は、朝鮮-大韓帝国- 大韓民国につながる国家継続に対する信頼から出てきているのだ。その信念は、過度の民族主義だと批判されるムン・ジェイン政府に先立って、朴正煕、全斗煥政府が確固に宣言しておいたことを忘れてはならない。このような認識に基づいたコンセンサスが、柔軟な対日外交をもたらす条件となろう>

 

 

よくあるミスリード方法です。『~はよく知られている』とすると、『あ、私が知らないだけか』と思いがちですが、本当は、知っている人はそういません(笑)。とはいえ、書いてあることには同意します。保守右派政権も今の左派政権も、『朝鮮(大韓帝国)→臨時政府→大韓民国』を何よりの『信仰』としていることは、事実です。しかし、以下、この教授と私の観点の差を少しだけ述べて終わりにします。

 

・『だから、それ(いわゆる臨時政府史観)を間違いだと認める勇気』が柔軟な対日外交になる条件なら分かるけど、それを維持したまま柔軟な対日外交が出来るはずがありません。というか、韓国はすっとその歴史観を対日外交はそれを基本としましたが、今更それが何になるというのでしょうか。

・いまの韓国の反日は、主権を守ろうとしているものではありません。日本の主権を奪おうとすること、すなわち『ありもしない被害設定で、加害者になるための権利を求めている』ことです。

・そんなに『軍事政権から続いてきたこと』を大事にしたいなら、軍事政権で国内法まで作って『韓国の民間補償は韓国政府が』と決めていたことから、認めるべきでありましょう。

 

 

 

 

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