元朝鮮労働党幹部『北朝鮮から来たという手紙、北朝鮮で使う表現ではありません』

北朝鮮の人が韓国の標準語を見た時にどんな思いをするのかは分かりませんが、北朝鮮で韓国ドラマを見る人も大勢いるとのことなので、ある程度は意味が通じるのでしょう。韓国人が北朝鮮の標準語を見ても、その意味はほぼ問題無く通じます。しかし、読み方や表現には戸惑うこともあります。例えば今回の『北朝鮮からの謝罪文(謝罪文でもなんでもないと私は見ていますが)』の場合、ウィルスを「ビルス」と書いていますが、こんな書き方は韓国にはありません。また、韓国では「イ」「ノ」と読む部分を「リ」「ロ」と読んだり、読み方にも差はあります。有名なのが「労働党」で、韓国では「ノドンダン」と書きますが、北朝鮮では「ロドンダン」と書きます。

そういう側面から、『リバティーコリアポスト』というネットメディアが、北朝鮮から来たという手紙(電信だと聞いています)に疑問を示しています。大統領府が、初めて公開した手紙の全文を、後で大幅に修正しており、いまだ北朝鮮で使わない表現が残っている、とのことです。どういうことなのか、さらっとまとめてみます。

 

最初に公開したバージョンでは、『韓国式表現』が多すぎたといいます。例えば、領海を「ヨンヘ」と書いています。北朝鮮ではリョンへと言います。他にも、労働党を「ノドンダン」、理解を「イへ」と書くなど、明らかに韓国式の書き方をしています。北朝鮮では「ロドンダン(労働党)、リへ(理解)」と書きます。

 

ここの黄色いアンダーラインが、「リバティーコリアポスト」が分析した、「表現がおかしい(韓国式書き方)」です。

その後、大統領府は手紙の表現を修正しました。いまは、赤いラインの部分だけが残っており、それ以外は修正されているそうです。イへをリへに変えたり、ノドンダンをロドンダンに変えたりしました。ただ、その赤いライン(まだ残っている部分)も、北朝鮮では使わない表現です。

 

 

記事で指摘しているのが「血痕(혈흔)」です。わざと日本語で書いてみますと、北朝鮮では、血を「ち」とは言うけど、「けつ」とは言いません。だから、『血痕』という表現は使いません。『けっこん』ではなく、『ち(血)のあと(痕)』と書きます。しかし、手紙には「血痕」と書いてあります。

 

 

<・・北朝鮮労働党幹部として活動していた脱北者Aさんは、本紙との通話で、「北朝鮮は漢文をすべて朝鮮語で変え、漢字をほとんど使わない。手紙に『血痕(혈흔)』と書いてあるが、それは北朝鮮の言葉ではない」と述べながら、北朝鮮で金正恩名義の手紙を送るときには徹底的に検査するものだが、(※今回のものは)誤字も多く、内容も下手くそだとし、手紙の信憑性に疑問を提起した・・

・・現在公開されている手紙の、「正体不明の人員1名(정체불명의 인원 1명)」という表現は、北朝鮮式の表現ではない。そして「多くの量の血痕(다량의 혈흔)と表現したのもそうだ。北朝鮮は「ヒョル(血の音読、日本で言う『けつ』)」ではなく「ピ(血の訓読み、日本で言う『ち』)」を使うため、「ヒョルフン(血痕、けっこん)」ではなく「ピッザグク(ちのあと)」とするのが北朝鮮式の表現である。

そして、北朝鮮では文章に”~”をあまり使わないが、今回の手紙にはそのような部分が多く、北朝鮮式は異なる表現となる。修正された後のバージョンでも、手紙には南韓(※韓国)式の文書体が多く見られており、金正恩の謝罪の手紙に関する、大統領府と国情院の解明が必要だと判断される(内容の引用およびキャプチャー画像:リバティーコリアポスト)。>

 

いまのところ、リバティーコリアポスト以外ではこのことを報じていません。さて、どうでしょうね。個人的に陰謀論はあまり好きではないので(面白いものは面白いですけど)、紹介するだけと致します。

 

 

 

 

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