『韓米同盟があるから米国は韓国を捨てることができない』との考え

もちろん、ちゃんと危機意識を示す記事もあります。でも、結構な数の『なんで日本で日米印豪安保会議が開かれたんだろう』な記事が目に付きます。いや、『なんで』と言われてもK(困る)ですが、半分位はそんなニュアンスです。

日本で4ヶ国防衛相会議が開かれるけど、『会議の後にポンペオ氏が訪韓する予定だから韓国が参加したのと同じ』という反応がメインでしたが、ポンペオ長官の訪韓がキャンセルになってから、『なんで?』という反応が増えました。まずは「危機感を示す記事」の一つ、『毎日経済』の記事から部分引用して、その後に韓国側のスタンスについてもう少し述べてみたいと思います。

 

<・・韓国がクワッドに否定的な見解を明らかにし、ポンペオ長官の訪韓の動機を弱めたという見方もある。カンギョンファ外交部長官ガンギョンファ外交部長官は先月26日、米国、アジアソサエティー主催のセミナーで、「他の国の国益を排除することは良い考えではない」とクワッドに否定的な立場を明らかにした。

中国のTHAAD報復が完全に撤回されていない状況で、中国政府がクワッドに強く反発しており、北朝鮮の非核化のために中国との協力を維持しようとしたとも言える。しかし、政府が米中の間で曖昧な態度を取る、『二兎を追う者は一兎をも得ず』になるかもしれないという指摘が出ている。実際に、王毅部長も、今月中旬に訪韓を推進していたが、ポンペオ長官の訪韓延期が発表された後、日程を先送りした(※王毅氏の訪韓も無くなったのは、極めて自然なことです。ポンペオ氏が何を言ったのか聞くために訪韓する予定だったはずですから)。

シン・ボムチョル韓国戦略研究外交安保センター長は「米国の同盟ネットワーク構成に参加していないと、韓米同盟が二流同盟に転落する可能性がある」と警告した。続いて彼は「米国との同盟を堅くしてこそ、中国も韓国を尊重する」、「韓米同盟がなければ、中国は私たちを、ラオスやカンボジアのように扱うだろう」と述べた>

 

 

中国が『韓米同盟がちゃんとしてこそ韓国を尊重する』は、韓国からすると大事なことでしょう。別にそれ「だけ」で尊重されようとしても困るし、尊重の意味もいろいろ間違えている気がするし、他国の国名を見下す素材として使うのも残念ですが、現実的に『韓米同盟あってこそ』がいろいろ韓国の力になっているのは間違いありません。

でも、『米国は韓国との同盟がやめられない。だから中国側に傾いても、米国は韓国に何もできない』とする考えもまた、根強いです。『韓国が中国寄りになると韓米同盟が弱くなるとか言うけど、韓米同盟があるかぎり米国が韓国を捨てることはできない』は、決してネットの一角で提起されている意見ではありません。『韓国は主権国家だから米中どちらかが選べる』というそれっぽい表現として包装され、いろんなところで出てきます。近い事例だと、6月にイ・スヒョク駐米韓国大使が「韓国はすでに、選択を強いられている国ではなく、今や選択できる国になった、という自負心を持っている」と話しました。この発言のもっとも重要なポイントは、過去の韓国が選択を「強いられた」というニュアンスにしている点です。7月には、元統一部長官でいまは大統領の諮問役でもあるチョン・セヒョン氏が、『私たちが韓米ワーキングループを破綻させても、在韓米軍は絶対に撤収できない』と主張しました(チョン・セヒョン氏のソース:マネートゥデー)。

 

私は、韓米同盟がいきなり無くなるとは思っていません。ただ、米国の『古い』同盟システムが、『新しい』同盟システムによって上書きされつつあるのは間違いありません。急に前のものを消して新しいものを作るとなると、空白期間が生じます。でも、上書きしていくなら、そうでもありません。その新しいシステムの構築から、韓国は排除されています。米国にとってもまた、『韓米同盟がちゃんとしてこそ韓国を尊重する』が成立します。それは米国の立場として当然です。

 

 

 

拙著<「反日」異常事態>が発売中です!ありがとうございます!

拙著のご紹介

以下、拙著の題の部分はアマゾンリンク(アソシエイト)になります。リンクされたページで電子書籍版もお選びいただけます。

・現在の最新刊は<「反日」異常事態(2020年9月2日発売)>です。いわゆるK防疫として表出された、韓国の反日思想の本性である『卑日(日本を見下す)』とその虚しさについて主に考察しました。本ブログの「反日 異常事態」紹介エントリーもぜひお読みください!

・<高文脈文化 日本の行間>は、私が日本で暮らしながら感じた『日本語』に関する本です。

・<なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか>は、韓国社会の「借りたお金を返さない」心理と日韓関係の現状の類似点を考察した本となります。

他のシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。ありがとうございます。

・シンシアリーはツイッターをやっています。他のSNSはいまのところやっていません。ほとんどが更新報告ですが、たまに旅行先の写真をツイートする時もあります。よかったらチェックしてみてください