韓国統一部長官「中国の首脳の演説を、他国の長官が評価するのは外交的慣例ではない」

中国では朝鮮戦争のことを「抗米援朝」と言います。あと、ソース記事からの引用には『抗米援朝戦争』という表記もありますが、私が知っている限りだと、中国は抗米援朝を「戦争」とは言いません。25日が、中国がその抗米援朝で初勝利を収めた日ということで、中国では10月25日を『抗米援朝記念日』ということにしています。どうしても「勝利した」ことにしたいけど、結果が微妙だったので、初勝利の日を祝っているのではないか・・そんな気もします。

基本的に中国は朝鮮戦争を『米国が起こした戦争』ということにしているし、この記念日も米国に勝利した日として記念しています。しかし、そういう数々の『設定』のせいもあって、この日を祝えば祝うほど米国との関係が気まずくなるのも事実。ソース記事によると、この20年間、中国の最高指導者がこの日に記念演説することは、ありませんでした。別ソースだと『米国との関係を気にし、歴代で数えても最高指導者が演説することはそう無かった』とも。

 

ですが、今年は(23日に北京で記念式がありました)、習近平氏が演説を行いました。米国帝国主義をやっつけた、正義の勝利を収めた、そんな内容です。言うまでもなく、最近の米中葛藤がその原因でありましょう。過去の勝利(?)から、米中の衝突で勝てることを強調するためです。韓国のイ・インヨン統一部長官は、この演説に対し、『中国の首脳が中国の立場から示したことを、韓国の長官が一々コメントするのは外交的に慣例ではない』とし、コメントを回避しました。以下、毎日経済の記事から部分引用してみます

 

 

<習近平中国国家主席が23日、北京人民大会堂で開かれた「中国人民抗美援朝参戦70周年記念大会」の演説で、「中国は米国帝国主義の侵略に対抗して、朝鮮半島の安定のために抗米援朝に出て、偉大な勝利を収めた」と自評した。抗米援朝とは「米国に対抗して、北朝鮮を助けた」という意味で、中国は朝鮮戦争を抗米援朝戦争と呼んでいる。中国は1950年10月25日、米軍と韓国軍を相手に初勝利を収めたことを記念して、毎年10月25日を「抗米援朝記念日」に指定して称えている。このイベントで中国の最高指導者が演説に出たのは20年ぶりだ。

 

この日、習近平主席は、中国の朝鮮戦争参戦を米国の脅威に対抗した「正義の戦争」と強調した。習近平主席は「中国は平和を愛する民族だが、帝国主義の侵略に対抗して正義の戦争に出た」、「中国は抗米援朝精神と決死抗戦の意志で、いかなる勢力も、中国を止めることはできないことを全世界に見せつけた」と語った。続いて「米国政府は、国際戦略と冷戦思考から始まった朝鮮の内戦に、武力干渉することに決めた」とし、戦争責任が米国にあることを強調した・・

・・イ・インヨン統一部長官はこの日、国会外交統一委員会の国政監査で習主席の発言に対する意見を聞かれ、「外交的慣例ではない」と言葉を控えた。イ長官は「中国の首脳が、中国の立場から評価したことを、長官として適切なのかどうか評価することは、外交的慣例ではない」と繰り返して強調した・・>

 

このまま終わるのも寂しいので少し私見を述べますと・・「中国の首脳が中国の立場から示した意見に、韓国の長官がコメントするのは外交的に慣例ではない」ですか。いや、でも、「日本の首脳が日本の立場で示したことに、韓国の長官がコメントすべきでない」となると、本ブログの更新は週一になっちゃいそうですけどね。余談ですが、米国は、さっそくこの演説に対する批判声明を準備している、と朝鮮日報が報じています(URLだけ貼っておきます)。

 

 

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