文化人類学者『他人への反日は、自分の愛国をアピールするためのもの』

韓国で「親日派」とされる人たちは、主に経済関連の専門家が多いのが特徴です。彼らの研究が、いわゆる植民地近代化(韓国では、日本に併合されたおかげで発展できたとする類の主張をひとくくりにしてこう呼び、徹底的に潰そうとします)たるデータと繋がっているからです。ですが、たまに例外もあります。チェ・ギルソン教授の場合は、文化人類学を専門としています。日本住在で、『恨の人類学』などを執筆されました。本エントリーのソースは、そのチェ教授の新刊『親日と反日の文化人類学』を紹介する記事です。前提として、「私は、チェ教授と意見が完全に一致しているわけではありません」。しかし、韓国の反日をバカバカしいと思っている点、それが政治や外交ではなく、もはや『文化人類学』レベルの問題であると思っている点など、教授の持論の多くの部分に強く共感しています。余談ですが、拙著<「反日」異常事態>が、アマゾンの「文化人類学」カテゴリーに登録され、1位になったとき、すごく嬉しかったことを覚えています。なにせ、反日は政治だけの問題ではなく、もはや韓国にとっては文化人類学レベルにまで達していますから。以下、さささっと『月刊朝鮮』から引用してみます。

 

<突然、日帝残滓清算のために幼稚園を「幼児学校」に変えて呼ぼうという運動が展開されている。前にはコシヒカリなど、日本稲品種を国産稲の品種に置き換えるという報道まで出てきた。文化人類学者である著者が書いたこの本の副題のように、韓国の「反日民族主義」は、まさに「類似宗教」レベルである。この本は、その「類似宗教」の観察だ。

この本の中で最も興味深い部分は、著者が1980年代半ば、巨文島(コムンド)で実施した日帝時代に関するインタビュー調査である。著者が出会った日帝時代を経験した人たちの証言は、「日帝強占期」「対日抗争期」という公式定義とはかなり差のあるものだった。島の大部分が日本人によって開発された巨文島で、日帝時代や当時の日本人の記憶は、かなり肯定的だった。

 

そ他にも著者は、金泳三政権の「総督府庁舎爆破」、日帝が民族の精気を断ち切るために刺したという鉄の棒を見つける騒動などを厳しく批判しながら、シンガポールのパイオニア トーマスラッフルズ(英国の植民地担当政治家)の名前が、ストリートやホテルの名前であちこちに残っているシンガポール、総督府の建物を総統府兼観光資源として活用している台湾の事例と比較する。

著者は「今、反日を主張する人々は、危険を前提としていないだけでなく、主張しなくてもいいときに主張しているということ(※いまは独立運動など命をかけた反日運動が必要な時ではないこと)を、認めなければならない」とし「今も反日を叫ぶ多くの主張は、実はそのほとんどが日本より韓国人を狙ったものだ」と直撃する。また、「危険な抗日運動をしなかった人々が、それも日本ではなく、同じ韓国人を非難・攻撃するために執着する理由は、何だろうか」と問い、「それは、おそらく自分がどれだけ愛国者なのかを強調して表現するためであろう」と皮肉る。>

 

そう、韓国では、「反日は愛国」なのです。微力ながら、私もまた「恥韓論」の頃からずっと書いてきた内容でもあります。他にもうちょっと探してみたら、大手書店の内容紹介にて、これを見つけました。

<・・英靈を追悼する行為に対して、他の国がああしろこうしろと口を挟まないのは、植民地か被植民地かの歴史ではなく、現代文明国の間の関係、さらにその前の常識の問題である。喩え窃盗犯の子だとしても、親に祭祀を捧げるものだ(※韓国では親の命日などに、家や親の墓で祭祀を捧げます)。隣の家に住む人が、「あんたの親は窃盗犯だから祭祀を捧げてはいけない」と言うことはできないのだ。国家の関係が、個人的次元の倫理レベルを超えず、超えることもできない場合が、まさにこのような場合である。放っておけば何の問題もない・・>

 

靖国神社参拝を窃盗犯に喩えるのは失礼だろうが・・とも思ったものの、他にも教授は「韓国は日本を相手に戦争をした戦勝国ではない。むしろ日本側に立って徴用または志願兵として米国と戦った国である」としているし、「喩え」で読むとします。

この喩え話、本ブログで紹介した「あること」と真正面からぶつかります。<親日清算とは、「親日派の子が、親を否定すること」>です。親日派の子に、連座制を適用する気はない。でも、親は悪いことをしたと認めろ。親の罪を認めろ。それが絶対的な条件である・・そんな内容です。ある意味、この「親を否定する」に対する賛否が、親日と反日を分ける一つの基準かもしれません。「『K』ultural anthropology」、とでも言いましょうか。

 

 

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拙著のご紹介

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・現在の最新刊は<「反日」異常事態(2020年9月2日発売)>です。いわゆるK防疫として表出された、韓国の反日思想の本性である『卑日(日本を見下す)』とその虚しさについて主に考察しました。本ブログの「反日 異常事態」紹介エントリーもぜひお読みください!

・<高文脈文化 日本の行間>は、私が日本で暮らしながら感じた『日本語』に関する本です。

・<なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか>は、韓国社会の「借りたお金を返さない」心理と日韓関係の現状の類似点を考察した本となります。

他のシンシアリーの拙著については、書籍紹介ページをご覧ください。ありがとうございます。

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