韓国のイ・インヨン統一部長官が、『証言とは、一部の証言者の一方的な主張である恐れがあり、その検証にはもっと力を入れなければならない』と話したことで、脱北者たちから名誉毀損で訴えられました。「レム(램ラム)ジオ(지어建て)」=ラムザイヤー教授の論文に関する韓国側の反論を見ながら、改めて「ああ、本当に証拠と呼べるものは何も無いんだな」と悪い意味で感嘆している今日この頃、実に本ブログへのネタ供給としてはパーフェクトな話です。以下、毎日新聞(韓国)の記事から部分引用してみます。
<<統一部は「統一部と統一部長官は、脱北者の証言が北朝鮮の人権実態を知らせる貴重な記録であるという認識を持っている」と述べた。イ・ジョンジュ統一部スポークスマンは23日、脱北者4人がイ・インヨン長官の最近の「脱北者証言についての発言」について、虚偽事実による名誉毀損で告訴すると、このような立場を出したのだ。
これに先立ち、イ・インヨン統一部長官は3日、外信記者懇談会で、「北朝鮮の人権について記録したことが、実際にそのなのかどうか、(脱北者の)一方的な意思を記録したものではないのか、確認して検証する過程が足りない」とし、脱北者の証言の信頼性に疑問を表示した。これに対して、イ スポークスマンは、「イ・インヨン長官が脱北者の証言は信頼できない嘘だという趣旨で発言した事実はない」とした。
嘘を言ったのと同然だ。イ長官の発言は、「嘘」という言葉を使わなかっただけで、脱北者の証言は嘘という意味でしかない。それ以外に、どう解釈できる余地があるというのだ。
「確認して検証する過程が不足している」というのが何を意味するのか。信じられないという意味でしかないではないか。イ長官が統一部の発表通り、脱北者の証言が北朝鮮の人権実態を知らせる貴重な記録だと思っているなら、そんな発言はしなかっただろう。
この発言の重要性は、これだけで終わらない。統一部は、北朝鮮問題の主務部処(※主務省庁)である。確認と検証は、統一部がやらなければならないことのはずだ。確認して検証する過程が不足だったなら、それは統一部のミスであろう。脱北者や人を助ける団体のせいではない。果たして統一部は、脱北者の証言が真実かどうかを確認して検証したのか?イ長官の発言のニュアンスからして、そうではないようだ。それは職務怠慢であり、イ長官の発言は確かに名誉毀損である。
この長官の発言は、突発的なものでは見えない。ムン・ジェイン政権の見方がつい漏れたものだと見るべきだ。脱北者を「南北関係の邪魔者」と思っているのである。そうでないなら、脱北者団体2箇所の法人設立許可を取り消した事実には、国際社会の批判にも「対北ビラ禁止法」を強行処理した事実には、亡命してきた漁民を強制送還した事実などは、説明できそうにない>>
なんか、ずいぶんと言い切ってますね。国連では人権委員会が開かれています。米国が三年ぶりにオブザーバーとして参加しました。その委員会で、北朝鮮人権問題、そして韓国の対北ビラ禁止法の問題が議題になるのではないか、と噂されています。
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