韓米2+2会談、終了・・むしろ共同声明より「冒頭発言」が問題に?

2+2会談が終わりました。でも、個人的に、会談よりもその前に行われた冒頭発言のほうが気になりました。米国のブリンケン長官は、冒頭発言で香港問題、ウイグル人権問題、北朝鮮人権問題を全て取り出しました。『韓国も共にこれらの圧力に立ち向かおう』とも。この冒頭発言は、マスコミに公開されることになっていました。普通、このような案件は、もし話すとしても(韓国側がこの問題を快く思ってないこともあって)非公開の会談で発言するもので、マスコミ公開が決まっている発言でこんな問題を取り出したこと自体が異例であるそうです。韓国側は、これらの発言の返事として『朝鮮半島の平和プロセス』だけを話しました。中央日報は「韓国側と米国側は、完全に別のことを話していた」としています(笑)。以下、中央日報から部分引用してみます。

 

<<・17日開かれた韓・米外相会談で、ブリンケン米国務長官は北朝鮮政権の人権蹂躙と中国の香港の自治権侵害、およびウイグル人権侵害などを取り上げ、「私たちは、このような抑圧に対抗しなければならない。韓国と同じ視覚を達成できることを望む」と語った。「韓国も中国に対抗すべき」というメッセージを発信するのが、今回の訪韓目的だと、隠す気すら無いのだ。この日の会談の冒頭発言は、メディアに公開すると事前に合意していた。これを知っているブリンケン長官がここまで中国を直撃したのは、今回の訪韓で、これらの事案を重要にするという意図の表れであろう。通常、敏感な問題は、非公開の外交会談でのみ取り上げるものだが、この日の発言は、心をめての発言だった

 

・ブリンケン長官は、韓国もこれに賛同してほしいとする点も明確にした。「私たちは、自由で開かれたインド太平洋と人権、民主主義、法治のための共同の視点を(韓国も)達成することができることを望む」とした。韓国も民主主義と普遍的価値を守護する原則を持っ国であれば、このような視点を共有しなければならないという圧力だ。この日のブリンケン長官の発言水位は、予想していたよりも高かったというのが外交情報筋たちの見方だ。当初、同盟の復元を強調するバイデン政権は、最初の会談は挨拶のようなものとし、意見の相違が表出されとうな議題は、公には取り上げないだろうという観測が多かった

 

・韓国は、これまで南北関係と韓中関係などを考慮し、香港やウイグルなどの人権問題ではしっかりとした立場を表明しなかった。政府は、今年で3年連続で、国連人権理事会の北朝鮮人権決議案草案の共同提案国に参加しなかった。ところが、ブリンケン長官は、北朝鮮政権の人権蹂躙についても「一緒に対応しよう」と言ったわけだ。

・冒頭発言では、両側がそれぞれ全く別の話をしたといっても過言ではないほどの温度差が出た。チョン長官は「韓・米同盟は、私たちの外交の根幹であり、北東アジアと世界の平和と繁栄の重要な軸」とし「韓・米同盟の持続的な発展は、私たちの外交の最重要課題」と述べた。また、「今日の会談の結果として、朝鮮半島の平和プロセスが確かなものとして定着し、実質的な進展に向かって進む動力が設けることを期待する」と強調した。しかし、ブリンケン長官は、北朝鮮の人権状況を批判しただけでなく、北朝鮮の核及びミサイルプログラムについても「主な脅威」として取り上げた。彼は「北朝鮮の核弾道ミサイルプログラムは、共同の脅威」とし「私たちは、韓国と日本を含む他の同盟者、パートナーと北朝鮮の非核化のために一緒に努力する」と述べた

 

・外交部もこの点を意識したようで、会談後、報道資料で「両長官は、拡大会談80分後、韓半島問題の詳細な追加協議のために長官執務室に席を移して25分間、当局者一人ずつだけ同席したまま単独会談をした」と、双方が北朝鮮の核問題について緊密に調整しているという点を浮き彫りにした。しかし、ブリンケン長官が提起した問題に対する具体的な立場は無かった。 「韓国の新南方政策と連携して地域の平和と繁栄のための韓・米間の協力を継続推進することにした」と書いてあったが、 「新南方政策と連携して」という表現は、韓国が米国のインド太平洋構想と中国の一帯一路構想参加問題が提起されたとき、米中両方に対して使う、戦略的あいまいさを現わす表現である

 

・ブリンケン長官は、文大統領への表敬訪問とチョン ウィヨン、ソ ウク長官との公式会談のほかには、他の人には会わはないという。これは、昨年11月に王毅中国国務委員兼外交部長が訪韓した時、多数の与党関係者と会ったことと、比較される。王毅委員は、パク・ビョンソク国会議長とソン・ヨンギル外交統一委員会長、ムン・ジョンイン(当時)大統領統一外交安保特別補佐官、国会外交統一委員会所属の共に民主党ユン・ゴンヨン、イ・ジェジョン議員などの食事をしたり、別々に会ったりした>>

 

 

共同声明には、韓米同盟はとても重要だ、という内容ばかりでした。「国際秩序を毀損・不安定にする全ての行為に反対する」とは書いてありますが、「中国」と明記はされていません。全訳の必要性は感じませんが、全文(韓国語)はここにあります。イーデイリーです

これは私見ですが、最初からブリンケン氏は「会談内容も共同声明も、ゆるいものになる」と分かっていたのではないでしょうか。だから、誤魔化せないマスコミ公開の際(冒頭発言)にいくつかの案件を言って、『発表してないだけで、それらの案件もちゃんと話した』と『相手側に思わせる』作戦に出たのではないか、と。

 

 

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