中央日報「自虐史観の日本には学ぶことが多かった」

中央日報の東京特派員が、最近の教科書内容などを取り上げて、「自虐史観こそ強い。自虐史観だった日本にはまだ学べることが多かった」という記事を載せました。ツッコミは後にして、該当部分だけ引用してみます。中央日報です

 

<<・・それより興味を引くのは、彼ら(※記事で言う『日本右翼勢力』)が専売特許のように使用している「自虐史観」という表現だった。経済政策である「三本の矢」や「福島アンダーコントロール(福島は管理されている)」のような言葉を見て、安倍晋三前総理の造語力に感心してきたが、彼が流行させた最も強力な表現は「自虐史観」ではないだろうか。

日本が自国の歴史を実際より否定的に認識しているという主張だが、一応「自虐」という言葉の響きが大きい。ありのままの私を省察していただけなのに、びっくりしてしまう。私は実際にはもっと素敵な人なのに、今は自虐しているというのか?・・

・・(※韓国が問題視している教科書の内容を一部取り上げた後に)幾重ものフィルターで本物ではない私を見て “完璧”を叫ぶよりは、「自虐」のほうが健康である。その土台には間違ったことを反省して、より良い存在になろうとする謙虚な態度があるからである。歴史を見る目も同様だろう。振り返ってみると、彼らが言う自虐史観で歴史教科書を作った時代の日本が、今よりもはるかに学ぶ点の多い国であった>>

 

 

「韓国からするとそうだろうな」と言ってしまえば終わりですがそれだと短すぎるので、以下、私見でも綴ってみまつ(す)。

80年~90年代の記事や本、一部の論文などを視ると、韓国こそ「自虐」で改善を求めていた事が分かります。各マスコミには「韓国人は~~だからダメなんだ。これでいいのか」という強い論調の社説が溢れ、私の「恨(ハン)」や「ウリ」に関する考えに強い影響を残してくれた数々の論文も、90年代初頭に発表されたものです。しかし、いまはそんなことを言うと、かならずこう言われます。『韓民族はダメだというのは、日帝の陰謀だ。自虐するやつは日本の手先だ』。

 

80年代から民衆運動勢力と北朝鮮の民族主義(実はその民族の始祖である金日成を崇拝させるためのものに過ぎませんでしたが)が「教育」という名で入ってきたため、「歴史」分野だけは自虐の路線から外れていました。むしろ、上古史という名で、5千年の歴史がどうとか、そんな疑似学問が広がりました。今でも韓国社会が「在野歴史学者」という笑えない言葉を使っている背景でもあります。それが爆発したのが、軍事政権の崩壊です。民衆運動勢力の支持を得ていた韓国特有の左派思想が社会権を得、目障りだった「反共」を弱体化させ、その上位概念として「反日」を強化しました。

その過程で「国家の敵、北朝鮮」を「民族の敵、日本」に入れ替える必要がありました。韓国は「日本は加害者なのに被害者のフリをしている」とよく言うけど、実はいまの韓国の反日思想は「加害者である北朝鮮に被害者のふりをさせる」ための側面があります。

それまでは「韓国人は~だからダメだ」という自虐が「もっとよくなるための苦言」として成立していましたが、民族主義『もどき』が強くなるにつれ、それもできなくなりました。「韓国人」が「韓民族」という概念と一緒になり、聖なるものになってしまったわけです。

その結果が、「韓国人を悪く言うやつは『民族の敵』日本の手先だ」とする社会風潮です。「5千年の歴史というけど、それらすべて燃やしてしまいたい」と『自虐』を記した朴正煕氏も、今は親日、すなわち反社会的な人物にすぎません。

 

こんな話を書くと、いつも「反日は左派によるもの」という誤解を買うのではないかと心配ですが・・一因、一側面です。右派も左派も反日から自由にはなれません。『総意』です。これ、いつも書いている本ブログテンプレの一つです。

 

話を続けますと・・ネットの普及などで、韓国の反日思想が日本に広く知られるようになったのが、日本が自国の歴史に対する自虐史観を考え直すきっかけにもなったのではないか、そんな気もします。再評価するのは悪いことではありません。問題は基準です。自虐を捨てた結果が、「(自虐という感情的なものによって抑えられていた)資料や学問による複数の観点を認めるもの」なら、私はそれは正解だと思います。その再評価の基準が『曖昧なもの(特に朝鮮半島式 民族主義)』によるなら、逆です。そう考えると、『自虐だったときのほうが、まだ学べる点が多かった』国が、日本なのかそれとも韓国なのか。私は中央日報とは逆のことを書かずにはいられません。

 

 

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