韓国裁判所、「訴訟費用」を回収するために韓国内の日本政府の財産の調査に着手

韓国裁判所が、例の慰安婦裁判の裁判費用回収のため、「推尋」手続きに入りました。推尋とは「見つけ出して、回収する」の意味で、韓国内の日本政府の財産を調べる手続きに入ったことになります。なんで賠償金ではなく訴訟費用なのかというと、原告たちが「訴訟救助」制度を利用したからです。これは「経済的に弱者が裁判を受ける権利を実質的に保障するために、民事訴訟法が用意した費用を支払わずに訴訟することができる制度」です。すなわち、原告側は訴訟費用を支払っておらず、その分の訴訟費用を日本から差し押さえるために財産を調べる手続きに入った、という意味です。記事本文でも指摘していますが、これは、「近いうちに、賠償金分の推尋手続きも始まる」という意味でもあります。 以下、聯合ニュースの記事から部分引用します

 

<<日本軍慰安婦被害者の勝訴判決が確定されたことで、日本政府を相手に訴訟費用と賠償金を推尋するための手順が本格化している。16日、裁判所によると、ソウル中央地裁民事合意34部は先月29日、日本政府に「国庫の相手に対する推尋」決定(訴訟救助)を下し、これを公示送達した。これは国家が当事者の代わりに訴訟費用がかかる訴訟の構造に使われた費用を回収するための措置だ。故・ベチュンフイさんなど、原告が訴訟救助制度を利用して国から訴訟費用の支援を受けたが、日本が敗訴し、原告の訴訟費用まで負担することになり、これを回収するものである。

 

一般的に推尋決定が下されれば、裁判所は、まず推尋対象者に財産目録の提出を命令して、推尋(※回収)できる財産を確認する。べさんなど被害者12人は、日本政府を相手に、不法行為による損害を賠償しろと1人当たり1億ウォンを請求する訴訟を起こし、今年1月8日勝訴した。

日本は主権を持つ国家が他の国の裁判管轄権から免除されるという「国家免除」(主権免除)の原則を掲げ訴訟に応じなかったが、裁判所は、公示送達で訴訟の事実を知らせた後、判決を宣告した。公示送達は、送達事由を公開的に掲示することにより、送達が行われたものとみなす制度だ。

それからも日本が無対応の原則を固守し、控訴せず判決がそのまま確定した。日本が敗訴することにより、支払うべき費用について推尋手続きが開始されたのは今回が初めてで、賠償金に対する推尋手順も近いうちに行われるものと思われる>>

 

賠償金も訴訟費用も、裁判所が「日本政府の財産を見つけ、差し押さえる」という面では同じです。今回見つけ出した財産から、後に賠償金の回収(差し押さえなど)も行われるでしょう。さて、どこまでやるのでしょうか・・いや、どこまで「できる」のでしょうか。

 

 

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