中央日報「慰安婦裁判が最高裁まで行くと、『個人賠償』についても再考されるかも」

慰安婦判決に関連し、何度も「もっとも重要なのは、『次はどんな判決が出るか分からない』」という趣旨のエントリーを書きました。ただ、この点をむしろポジティブに考えている人もいます。「天動説が地動説に戻っただけ(ソース記事の題)」と今回の却下判決を支持している中央日報は、『控訴で慰安婦賠償の件が最高裁まで行くなら、元徴用工問題に対する判決も変わる可能性がある』可能性を書いています。21日の判決の中に、そのヒントがある、というのです。

確かにそうなるなら、韓国裁判所が自ら招いた国際法違反状態を多少は解消されるかもしれません。しかし、まだまだ希望的観測にすぎないのではないか、そんな気もします。以下、中央日報の記事から部分引用します。

 

<<日帝強占期の慰安婦被害者とその子孫たちが日本政府を相手に提起した損害賠償訴訟について、裁判所が「国家免除(特定の国を他の国の裁判所で判断することができないという国際法の原則)」で排斥した。最近、過去史問題関連判決の流れとは正反対の方向に舵を切ったのだ・・

・・(※慰安婦賠償を却下した21日の裁判で)裁判所は、韓日請求権協定(1965年)と河野談話(1993年)、慰安婦合意(2015年)など、過去韓日政府の交渉を通じた解決策を詳細に説示した。韓国の裁判所がいくら日本側の責任を認めても、日本政府に強制執行をすることができない現実的な制約があるので、司法の枠組みの外で、日本と国際社会を動かす解決策を見つけることが望ましいという結論に至ったのだ。

「真の謝罪=法的賠償」の構図は、実は1990年代から慰安婦問題の解決策を模索してきた挺対協などの市民団体が主導してきた。河野談話以来、1993年のアジア女性基金や2015年慰安婦の合意の結果で作られた和解治癒財団(※慰安婦合意による財団)の資金をめぐる論争も、このような「法的賠償ではない」という批判に直面して、事実上、座礁したようなものだ。もちろん市民団体が法的賠償を強調した背景には、慰安婦問題を歪曲するような日本政府の高位関係者たちの「妄言」も影響を及ぼしたとの指摘があった。

 

しかし、裁判所は、戦後の国際秩序は、「武力紛争中に発生した損害賠償は、被害者個人が国家を相手に起こした個々の訴訟によるものではなく、関係国との間の一括協定(lump sum agreement)方式で解決」する方向に固まったと明らかにした。

この判断は、最高裁の2018年10月に強制徴用判決とも繋がっている。最高裁が過去史問題の被害者の個別賠償請求権を初めて認めたからだ。 2次訴訟が(21日却下された2回目の慰安婦裁判が、控訴で)最高裁まで行くと、この点に関する判断も、もう一度行われるだろう>>

 

もし、この件が最高裁まで行って、同じく「個人賠償」が否定されると・・前の裁判結果が消えることはないけど、追加で賠償判決が出るのを防ぐことは出来るでしょう。判決文には、「個人賠償権は生きている」と「国家間の協定で一括解決された」が共に明示されており、個人的には「賠償金を出すのは韓国政府の責任」にも見えます。もう少しひねくれた見方をすれば、『裁判所がやったことだから政府は知らない』とする政府に対し、『政府がやったことだから裁判所は知らない』と返したようにも見えますが。

 

 

 

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