聯合ニュース米国特派員が見たバイデン氏の議会演説・・「『戦略的あいまいさ』が終わる瞬間に備えよう」

聯合ニュースの米国特派員が、バイデン氏の議会演説を、こう分析しました。「『戦略的あいまい』が終わる、『真実の瞬間』に備えよう」。ソース記事の文章自体はここまで露骨にはありませんが、戦略的あいまいさが終わるのを「真実の瞬間」と書いたのがユニークでした。戦略的あいまいさは『真実の前に崩れ去るもの』、という意味でしょう。以下、聯合ニュースから部分引用します。

 

<<・・バイデン大統領が見せた強力な米国優先主義は、トランプ前大統領に劣らなかった。むしろ、より精巧で緻密だった。彼は演説で「21世紀」という言葉を7回も使用した。21世紀が「中国の時代」になることを座視せず、米国の競争力を高めるという趣旨であった。世界の超大国という米国の位置を、21世紀にも守っていくという決意だった。

演説の中で明らかになったバイデン大統領の世界観は、明確だ。米国を中心とした民主主義陣営と、中国やロシアに代表される非民主陣営という二分された世界だ。

 

民主主義や人権のような価値よりお金を重要とし、米国の利益を重視したトランプ前大統領とは違う世界観である。バイデン大統領は習近平中国国家主席を独裁者と呼んだ。それとともに「独裁者は、米国との競争に勝つことができない」と断言した。

バイデン大統領は外国首脳に一種のアドバイスメッセージを送った。彼は「絶対にアメリカが負ける側にかけてはならない。米国にできないのはただ一つ存在しない」と強調した。

 

この点で、大韓民国の国益を心配する声も聞こえる。政府は、米国と中国の覇権競争の中で戦略的あいまいさを維持してきた。トランプ政権に続き、バイデン政権も、インド・太平洋戦略の一環として推進するクワッド(米国・日本・オーストラリア・インドの4カ国協議体)においても、韓国は中国の反発を考慮する姿だ。

最近チョン・ウィヨン外交通商部長官は、韓米首脳会談で、米国がクワッド参加を要求する可能性について、「そのような状況は起こらないだろう」と話した。しかし、韓国政府も、さまざまなシナリオに備えなければならないという指摘も提起されている。米国と中国の覇権競争が加速している状況、戦略的あいまいさが通じない「真実の瞬間」が近づくこともあるというのだ。

実際、バイデン大統領は演説で、北大西洋条約機構(NATO)を例に挙げ「インド・太平洋地域に強力な軍事力を維持するだろう」と習主席に通報したという話の内容を公開した。中国の脅威に対抗し「自由に開かれたインド太平洋」を作るという、クワッドが連想される部分だ。

30余年の外交官としてのキャリア、青瓦台(※韓国大統領府)国家安保室長まで務めたチョン長官が、バイデン大統領の演説の意味を知らないはずがない。国際関係では、どちらか一方の希望とは反対方向にあるが展開されるなど珍しくない。もしチョン長官の希望とは異なり、韓米首脳会談でクワッドの問題が議題に上がった場合、国益に基づいて対応できるように、事前に準備することが、政府の役割であろう・・>>

 

まず、これはチョン・ウィヨン氏が「知っているのか、知らないのか」の問題でもありません。『知ってはいけない』が、『戦略的あいまいさ』を維持できる唯一の手段だからです。本ブログでも2~3回取り上げたことがありますが、戦略的あいまいさは「どちらにもNOを言う」または「どちらにもYESを言う」ことではありません。「どちらからも聞いてない」です。すなわち、韓国が「選択(YESかNOか)」をすることがあってはなりません。だから見てはいけない、聞いてはいけない、話してはいけない、知ってはいけない。それが戦略的あいまいさの条件です。それが終わるのを「真実の瞬間」としたのは、うまい表現ではないでしょうか。真実というか、現実でもありますが。

 

他に、個人的に気になったのは、「米国が負ける方に賭けるな」です。バイデン氏、この「米国以外に賭けるな」という表現を朴槿恵氏にも使っていました。中国にベットする(賭ける)のはよくないぞ、と。

また、これはバイデン氏も露骨には言ってませんが、クアッドとNATOを似たようなものとするニュアンスです。いままでクアッドのことを、米国は「クアッドはNATOとは違う」としていました。もちろん中国は「どこが違うんだよ#」としましたが。でも、今回の議会演説ではそうでもなかったようで、しかも習近平氏に通報済み、と。少しずつ「段階」が上がりつつある、な感じです。

 

 

 

↑ 某書店で撮った写真です。平積みになっていました。本当にありがとうございます。

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