韓国の哲学教授「国が道徳に拘る政治をするのは、独立できていないからだ。独立国の政治は道徳ではなく事実に基づく」

本エントリー(のソース記事)は、歴史学者による歴史分析ではなく、哲学者による社会分析です。実は親日というものについて考える力が無く、ただ「陣営論理」に従っているだけだから、韓国社会は『親日』という言葉に必要以上に反応し、絶対にあってはいけないとする、と言う内容です。

韓国で「陣営論理」というのは、本ブログでずいぶん前から書いてきた『韓国社会は全てが両極端に分かれた2つの集団の対立で出来ており、彼らは自分の正当ささを相手の不当さから見つけようとする』ことを意味します。自分が属している集団(いわゆる『ウリ』)だけが絶対に正しく、別の主張をする集団は絶対に間違っている、と。ラムザイヤー教授を「親日だから」と攻撃するのも一種の陣営論理です。「『何を言ったか』ではなく『誰が言ったか』で判断する」ことで、誰もそれをおかしいと思わない。そんなところです。

それでは、以下、ソウル経済の記事、チェ・ジンソク 西江(ソガン)大学哲学科名誉教授の韓国社会分析を紹介します。

 

<<・・チェ教授は、代表的な事例として、韓国社会の親日問題へのアプローチを指摘した。彼は「親日問題をなぜ克服しなければならないのか、解決できなければどのような問題があり、解決のためにどのようなプロセスが必要だろうか、そんなことを考えずに、ただ陣営の視点だけでアプローチする」と述べた。チェ教授は「親日問題の解決は、外勢への依存を克服するために必要なもの」としながら「独立が一般的になっている国の政治は事実に依存するけど、従属性が蔓延している国の政治は道徳に執着することになるからだ」と付け加えた(※少し分かりづらい文章ですが、「独立に関わる親日清算を叫びながらも、自分で考えず、従属性の高いやり方しか出来ないでいる」という意味です)。

 

彼は「民主化運動」を私たちの社会が継承する方法にも、自分の考えを明らかにした。チェ教授は「5・18民主化運動当時、非常に多くの人々が犠牲になったのは、もっと民主的な社会、もっと自由な国を建設するためだったはずだ」とし「5.18歴史歪曲を処罰できる現行法があるのに、なぜ特別法まで作るのだろうか。親日清算も5・18民主化運動も、より良い国になるために昇華できず、ただの恨み晴らしに利用されているだけだ」と強調した。

 

チェ教授は、私たちの社会が簡単に陣営論理に陥ったり、考えるより感情に依存するしかなくなった理由として、「国家と民族の概念をすぐ混同してしまうからだ」と指摘した。彼は「まず、執権勢力からして、『民族』と『国家』をちゃんと区別できないでいる」とし「著書でも言及したが、大韓民国の大統領は、大韓民国軍統帥権者であり、民族の指導者ではない」と述べた。チェ教授は「大韓民国のために献身した人でも親日なら評価下げし、大韓民国を攻撃した人たちでも反日なら高く評価するのは、民族観念的に見れば正しいかもしれないが、国家という観念からすると間違ったものでしか無い」とし「現政権の金元鳳(※キム・ウォンボン)の評価が代表的だ」と指摘した。

※キム・ウォンボン・・臨時政府の軍「光復軍」の司令官。戦後北朝鮮に渡り、朝鮮戦争を仕掛けた重心人物の一人になったという主張もありますが、それでも映画などを通じて英雄として描かれ、現政権になってから国家有功者にすべきだとする動きが出ています

 

彼は「大韓民国の大統領は就任したときに、憲法を守護する宣誓する。その憲法は韓民族憲法ではなく、大韓民国憲法である。大統領は、国民の生命と安全を守り、領土を守護することを憲法のままに行う人であり、市民団体の代表とは違う」と述べた。国会議員にも「大韓民国の憲法精神の中で活動しなければならない。それだけは忘れてはならない」と強調した・・

・・市民一人一人にも、考える力、すなわち、独立的思考能力の向上が重要であると述べた。チェ教授は「独立思考能力を身に付ければ、自分の考えを世界の変化に合わせて変えて行くことができますが、そのような能力がなければ、一度受け入れたことを宗教のように信じてしまう」とし、「私は誰なのか、私は何がしたいのか、私はいかに生きて行きたいのかを考え、自分自身に質問し続けられるようにならなければ、より発展した存在、次のレベルに上がる存在にはなれません」と述べた>>

 

他にもチェ教授は、韓国社会は「自分の理念に合えば善で、それ以外は悪として片付けてしまう」とし、まるで衛正斥邪(朝鮮で朱子学以外を「悪」として無条件的に排斥したこと)のようだとしています。朱子学を徹底的に守ることで「だれがもっとも道徳的な人か」を決めていた時代からあまり変わってないというのです。そして、韓国の言うその「道徳」は教祖的な歴史意識にも投影されている、と。この件は過去エントリーで引用したことがあります

「考える力」。それは、「両極端な二分」の天敵であり、唯一の解決法でもありましょうが・・自分で考える人は、排斥されてしまうから問題です。いつだったか、ある洞窟の比喩を紹介したことがあります。「洞窟の中だけが世界の全てで、毎年、誰か一人を選んで洞窟の外に追い出す、そんな世界があるとしよう。そんな世界なら、他人から『NO』と言われることを極端に恐れるだろう」という内容でした。そんな世界で「自分で考える」がどこまで機能するのか。考えるだけで背筋が凍りそうです。

しかし、「国が道徳に拘る政治をするのは、独立できていないからだ。独立国の政治は道徳ではなく事実に基づく」とは、うまい表現です。「証言が証拠だとする韓国と、資料は無いとする日本」など、さまざまな案件に適用できる気もします。

 

 

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