韓国の現職裁判長「元徴用工訴訟の判決は国内法だけで決めるべきだ」

少なくとも本件において、韓国側が「法律」や「条約」などをどう思っているのか、よく分かる内容の記事があったので紹介します。現職の法院長(裁判長)が書いた内容で、『人を働かせて給料を払わなかったわけだから国際法ではなく国内法で決めるべきだ。国際法で決めるなんてナンセンスだ』というものです。問題に基本条約や日韓請求権協定という『国家間条約』が関わっているということを、まったく認識していない、認識しようとしないことがよく分かります。以下、ソウル新聞の記事から部分引用します<<>>が引用部分となります。

 

<<現職法院長が、日本に対する元徴用工の償請求権を認めなかった最近の1審裁判所の判決に対し、「不法行為が成立するかどうかは、当然、国内法に従わなければならない」と批判した。最高裁の判例を覆す判決を出し議論が続いている状況で、裁判官社会内部でも批判の声が出てきたのだ・・ファン・ビョンハ 光州高等法院長は、800字分のコメントを介し、その判決に自分の意見を残した。ファン法院長長は「国際法は、すべての国を等しいとみなし、それらの間の関係を規定する」とし「国際法の教科書をいくら読んでみても、大国が弱小国を力で植民地化する方法を扱う内容はない」と話を切り出した。

続いて「(植民地支配などが)国際法上違法であるかどうかを問うのはナンセンス」とし「これは国内法に従わなければならない」と批判した。また「誰かを強制的に連れて行って仕事をさせて正当な対価を与えていない行為をすると、国内法でも国際法でもそれが法の秩序に違反するという点に疑問を抱く人はいないだろう」と指摘した・・>>

 

 

この前の却下判決が「国際法違反の可能性」を論じたのは、そもそも併合(判決文では「植民地支配」など)が国際法的に違法だったかどうかを確認できないからであり、もう一つ、国家間の条約、日韓請求権協定があるからです。韓国でも国家間条約は国内法と同じ効果を持つため、本件において国際法を考えずに判断するのは、それこそナンセンスです。

まず、本当に徴用された人たちに限って考えてみます。いまの韓国で、兵役の人たちにちゃんとした代価を払わないのはなぜでしょうか。韓国の法律による徴用(兵役)だからです。当時、朝鮮半島は日本でした。だから国際法的に見て、併合が合法だったか違法だったかを考える必要があるが、そんな資料をどこからも見つけることができなかった。違法だと言い切っているのは韓国の国内法の領域だけだ。だから、併合を国際法的な観点から考えないといけない。それが却下判決の趣旨です。

徴用以外も含めて、併合時代朝鮮半島出身労働者全体で見ると、敗戦という現実において、賃金の支払いがちゃんとできなかった。だから、日本と韓国の間には、国家間条約による解決の一般的な方法である「一括処理」のための協定が結ばれた。それが日韓請求権協定であり、それを無視して本件を語ることはできない、だから国際法に基づく観点が必要だ。これもまた、却下判決の要旨です。すなわち、引用部分の「働かせてお金を払わなかった」は成立しません。韓国政府に支払いました。

にもかかわらず、「国際法で決めるなんてナンセンスだ。国内法で決めるべきだ」と言われましても・・これ、まるで、1つ前のエントリーで書いた『日本の正論は韓国が決める』の拡張版のような気もします。日本は韓国の国内法に逆らってはならない、そんなふうにも見えてしまうのは、私の心が曇っているからでしょうか。ちなみに、実は国際法的には韓国が不利だと分かっていて、「国際法による観点を、本件から外そうとしている」動きがあるのではないか・・そんな気もします。邪推にすぎませんが・・

 

 

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