竹島問題についてある程度の関心を持っている人なら、于山島(ウサンド)という島について聞いたことがおありでしょう。
簡略に説明しますと、韓国は鬱陵島周辺に描かれている「于山島」という島を、いまの竹島だと主張し、領有権主張の根拠としています。ですが、于山島を竹島だとするには、鬱陵島からの距離も大きさも不自然すぎで、無理があります。
この「無理」が決定的になったのは、八道総図という地図の存在です。朝鮮時代、今どきの言葉で『国策事業』として、1481年から1530年までなんと50年もかけて作られた『東国輿地勝覧』という地理本があります。各地方の特徴だけでなく、各地方を代表する孝子(親孝行に優れた人)や烈女(自分の夫に尽くした女性)のデータまで載っていて、韓国では当時の朝鮮を知るために高く評価されている本です。地理書ですので地図も付属していますが、それを「八道総図」と言います。
この地図には、于山島が鬱陵島より朝鮮半島側に描かれています。もし于山島が竹島なら、これはもう間違えたレベルの話ではないでしょう。この件は日本外務省のHPにも載っているので、まだ読んだことないという方はぜひお読みください。リンクしたページのもっとも下の方にあります。
率直に言って、私はこれらの流れから、韓国側ももう于山島で竹島(独島)領有権を主張するのはやめただろう、と思っていましたが・・なんといまさら、文在寅大統領がスペインでまた于山島の話をしました。周回遅れにもほどがあります。以下、東亜日報から部分引用してみます。引用部分は<<~>>で、キャプチャー画像も同ソースからです。
<<スペインを国賓訪問中の文在寅大統領は16日(現地時間)、スペイン上下院合同演説直後、スペイン上院図書館を訪れ「朝鮮王国全図」を観覧した。文大統領はこれを見て、「独島(※竹島のこと)が韓国の領土であることを示して非常に貴重な史料である」と話したと、パク・ギョンミ 大統領府報道官が書面ブリーフィングで伝えた。
「朝鮮王国全図」は、18世紀のフランスの地理学者であり地図製作者であるジャン バプティストブルギニョン ダンビルが発刊した「新中国地図帖」に含まれている地図だ。西洋人が作った朝鮮地図の中で、現存する最古の「朝鮮王国全図」は、独島が朝鮮の領土であることを示している。中国式発音で地名を表示したが、当時、独島を称する于山島を『千山島』と間違え、その中国語読みである「チャンチャンタオ(Tchian Chan Tao)」と表記したというのが、大統領府の説明である・・>>
于山島(千山島と誤記されているけど)が表記されているから、竹島は韓国のものだ!と言いたいのでしょうけど・・すでにこの地図からも位置関係がおかしいと気づかなかったのでしょうか。大統領は。というか、なんで「中国の地図」にこれが出てくるのかから考えたほうがいい気もしますが(朝鮮半島は中国のものだと認識されていた可能性が高い)。
しかもコメント欄には、「スペインがこんな(日本に不利な)地図を見せてくれたことは、私たちが凄い国になれたという証拠だ」という内容まであって、もうなにがなんだか。どっかの山に千回ぐらいツッコみたい気分ですが、環境保護のためにやめておきます。
余談ですが、私は個人的に「二島論(現在の鬱陵島は、昔は于山島と鬱陵島の二つの島として認識されていた)」に興味があります。地図の位置関係上、もっとも適合なのでは、と。
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