韓国裁判所、今度は「従北」で判決が変わる・・2018年最高裁「従北表現は名誉毀損ではない」2021年最高裁「名誉毀損だ」

日本関連だけでなく、北朝鮮関連でも判決が変わることが分かりました。3年前、最高裁は北朝鮮に従うという意味の「従北」という表現が、名誉毀損にあたいしないと判断しました。なのに、最高裁は先週、保守系ネットメディアの「メディアウォッチ」に、同じ案件で「名誉毀損した」という判決を出しました。同じ最高裁が3年で判決を変えたことになります。

旧朝鮮半島出身労働者問題など、日本に関する事案でも「もはや判決の内容よりも、『判決はいつでも変わる』という認識が重要になった」という趣旨を書いてきましたが・・それは、地裁か最高裁かの問題ではありません。最高裁の判決でも、政権の影響力などにより、いつでも判決が変わってしまう。それが今回の件で明らかになったわけです。以下、二つの記事から引用してみます。<<>>が引用部分となります。

 

<<(まず、以下、2018年10月30日京郷新聞からの引用です)「従北」「主体思想派」「京畿合東部連合(※親北政党の実権だとされていた組織)」などの表現は、名誉毀損に該当しないという最高裁全員合議体の判決が出た。最高裁は、名誉毀損を理由に過度の責任を問うことは、憲法上の表現の自由を侵害する恐れがあると憂慮し、このように判決した。最高裁判所全員合議体は、30日イ・ジョンヒ前統合進歩党代表とシム・ジェファン弁護士夫婦がビョン・ヒジェ氏を相手に起こした損害賠償請求訴訟の上告審で、イ前代表の勝訴判決を破棄、差し戻した・・

・・最高裁での争点は「従北」などの表現が、他人の名誉を毀損する違法行為なのかどうかであった。多数意見(最高裁判事8人)は、名誉毀損ではないと判断した。多数意見は、「政治的な表現による名誉毀損などの不法行為責任を認めるには慎重でなければならない」とし「名誉毀損と侮辱に関する過度の責任追及が、政治的意見表明や自由討論を邪魔する手段として作用してはならない」とした・・>>

 

ですが、それからわずか1年半後の去年3月。似たような案件で、韓国の裁判所(1審)は「従北などは名誉毀損だ」という判決を出し、メディアウォッチに賠償を命じました。メディアウォッチ側は「1年半前の最高裁判決どこいった」と控訴、また最高裁まで行きましたが、最高裁でも「名誉毀損だ」という判決が出ました。以下、今年6月14日のメディアウォッチの記事から引用します。

<<本紙がシム・ジェファン弁護士(前統合進歩党最高委員)と所属法律事務所の民弁(※一般的に左派より・反日とされる案件によく登場する弁護士組織)出身の弁護士を「従北」と批判したことが、虚偽の事実摘示名誉毀損、人格権の侵害という最高裁の判断が出た。2018年10月に最高裁は「従北という表現は単純な意見表明に過ぎない」と表現の自由を重視する全員合議体判決を下したことがある。同じ最高裁が3年ぶりに何の説明もなく立場を180度ひっくり返しわけで、議論が予想される・・

・・メディアウォッチは、2017年9月「従北団体『挺対協』を代理する従北法律事務所『ヒャンボプ』」という記事で、シム・ジェファン弁護士がKAL機爆破と天安艦爆沈が北朝鮮の仕業ではないとしてきたこと、また、所属法律事務所弁護士が民弁の各種活動をしてきた事実を「従北」と評価する記事を出した。シム・ジェファン弁護士などは、11月、本紙を相手に名誉毀損損害賠償訴訟を提起した。

昨年3月には、ソウル中央地方裁判所1審は、本紙がシム・ジェファン弁護士を「従北人士」と表現した部分を「虚偽事実摘示名誉毀損」と判示した。本紙が所属法律事務所の弁護士を「従北勢力が育てている次世代の人士」と評価した部分も「人格権侵害」と判示した。

今年2月には、ソウル中央地方裁判所の控訴審でも、1審の内容をそのまま追認され、メディアウォッチ側に損害賠償が命じられた。今回の最高裁の上告審は、1審、控訴審を、最終的に承認したものである。

本紙の取材結果、今回の判決を下した最高裁3部の判事は、4人の中の3人が2018年の従北表現関連の全員合議体の宣告にも参加した判事たちであることが確認された。本紙のファン・イイン代表取締役は、「法的にこれ以上争える余地がなく、承服はする。しかし、最高裁のこのような自己矛盾は、最終的に深刻な政治的判断を避けることができないだろう」と述べた>>

 

 

 

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