前置きさせてください。私は、『創氏改名したから親日派』という意見には同意しません。併合時代の人たちにもそんな認識があったとは思えません。創氏改名しなかった人たちも、別に反日だからというわけでもないでしょう。単に必要性がわからなかったとか、明日やろう明後日やろう来週やろう、なパターンの人もいたかもしれません(いつの時代にもいますし)。
でも、極めて一部の親日派以外は、民族が一つになって日帝に抵抗したという無茶な設定を貫いている韓国。反日思想においては、創氏改名も日帝の民族抹殺でしかなく、それを最後まで拒み続けた人こそが『正しい韓国人』ということになっています。創氏はともかく、『改名』は本人の意志で裁判所から許可を得ないとできなかったので、改名までした人は間違いなく親日派だ、という話です。
ただ、本当は盧武鉉政府の頃にこういう動きが急激に強くなったものの、金大中氏が併合時代に創氏改名していたことが分かり(笑)、いざ左派陣営はあまり騒がなくなりました。当時、「~~なことをした人は全員親日派だ」と強く主張した国会議員が、その基準を適用したら本人のおじいさんが親日派だったことが分かるなど、いろんなエピソード(と書いてネタと読む)がありました。しかし、それでも韓国社会の「創氏改名したのは『正しい韓国人』ではない」という認識は根強く残っています。
自分で高くした無茶なハードルに、結局は自分がひっかかる・・そのパターンは、韓国の独立有功者協会「光復会」の会長で、政治勢力としてもかなりの影響力を持っている金元雄(キムウォンウン)氏も例外ではなかったようです。そう、国会議員だった頃、横田めぐみさんのお父さんに『日帝に連れて行かれた数十万人の朝鮮人めぐみを忘れるな』と手紙を書いたこともある、あの金元雄氏のことです。
数ヶ月前、光復会そのものが金会長支持派と反対派に極端に分かれ、金会長の両親の独立運動履歴に疑問が提起されました。光復会はもともと独立有功者またはその子孫によるもので、両親の独立運動が嘘なら、金会長は光復会に所属する名分が無くなります。この件は去年10月にエントリーしたことがあります。
そんな中、1939年から朝鮮以外の地域で『朝鮮義勇隊』として活動していたという(設定の)金会長の母親が、1940年に朝鮮で創氏改名した資料が発見されました。金会長の母親は、朝鮮義勇軍活動で勲章を受けています。以下、ニューデイリーの記事から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・新生インターネットメディア「Newsverse」は21日、「ジョンウォルソン(※金会長の母親)さんの父親の除籍謄本を確認した結果、ジョン氏が1940年12月19日に江本島次に創氏改名した」と単独報道した。「ジョン氏の創氏改名時点(1940年)は、1990年に建国勲章『愛族章』を受けた根拠である『朝鮮義勇隊の活動時期(1939年以降)と重なる」と疑問を提起した。
ジョン氏の息子である金会長はいままで、母親であるジョンウォルソンさんが1939年、朝鮮義勇隊で活動し、1942年光復軍に編入されたと主張した。ジョン氏も、建国勲章愛族章を受賞した根拠となった公的調書に、「1939年、朝鮮義勇隊に入隊した」と記入した・・
・・Newsverseによると、当時、創氏する場合は一家全員の姓が変わるが、改名は本人が裁判所の許可を受けないと出来なかった。実際、ジョンウォルソンさんの場合、父親が『江本』に創氏した時点は1940年8月8日であり、家族全員の性が日本式になった。その4ヶ月後の同年12月19日、ジョンウォルソンさんは『島次』に改名した。ジョン氏の姉であるジョンウォルスンさんの場合、『島一』に名前を変えた。それまでジョン氏の父親は、創氏はしたけど改名まではしなかった。ジョン氏姉妹は、本人が直接改名を申請した情況が捕捉されたものである・・>>
もともと、韓国の独立有功者に偽物が多いという指摘はずいぶん前からありました。2018年10月2日のノーカットニュースによると、こんなこともありました。
中国に住んでいた人が、自分の父親「Aさん」の墓を『自分の父親のもの』として認めてもらうに20年かかった、とか。理由は、Aさんが独立運動をした人で、『私がAの息子です』と主張する人たちが、自分の親の墓を「実はAさんの墓です」と登録してしまったためです。確認がちゃんとできていない、偽物が多い(独立運動家またはその子孫だと主張する人が多い)、もし後で本物が現れても、証明するのが難しい、などの理由があって、独立運動家には偽物が多い、と。
実は独立有功者の4割は偽物ではないのか?という指摘もあります。有名なのが2005年6月24日のハンギョレ新聞の記事です。どうしても疑わしい光復軍(臨時政府の正規軍のことです)55人の内部文書や会議議事録などをサンプル調査した結果、その中の44人には功績と呼べるものが何も無く、日本が敗戦してから六日後に入隊した人もいた、とのことでして。
しかも、<<・・1960年代には「白紙(書き放題)が出回った」という話もある。チョン・ウンヒョン前<オーマイニュース>編集局長がキム・サムウング独立記念館長と一緒に1992年に出版した<親日派2>という本によると、『全斗煥政権当時、政府は独立有功者の中に偽物が多いという陳情書の件で、100人を調べたところ、 40人が偽物だった』という。独立有功者賞初期の1960年代に「白紙が出回ったことがある」ということは、独立有功者たちの間では公然の秘密だと、光復会の幹部を務めた人が話している・・>>、と。白紙は「名前さえ書けば、そのまま独立有功者になれる」という意味です。
ちなみに、私に『後でかならず役に立つ』と日本語の基本を教えてくれた母は、併合時代に『アキコ』という名前だったと聞きました。当時幼かったので、自分の意志とかそんなものとは違うと思いますが。
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