「日本との条約を守ろう。なぜなら力が足りないから」という主張

拙著「反日 異常事態」あたりから、本にもブログにもずっと書いている小テーマに、『韓国の反日批判は、政府批判であり、決して反日思想そのものへの批判ではない』というものがあります。一見、まともなことを言っているように見えても、所詮は文大統領、詳しくは左派勢力への批判にすぎず、『韓国の国際法違反状態』など、核心となる部分が欠けてある、、大まかに、そういう内容でした。

そのような「まともに見えても実は根本的な考えがズレている」意見の一つに、「韓国はまだ日本より弱いから条約を守ろう」というものがあります。これといって1つの記事にまとまったものが無かったので今までエントリーしたことはありませんが、日本との条約や合意(例えば慰安婦問題の日韓合意など)を守るべきだとしつつも、実は『力があれば誰が条約なんか守るか。力が無いから、とりあえず守ろう』という主張です。以下、ネットメディア「メディアSR」の記事から引用してみます。書いた人は、中央日報の日本特派員出身で、ニューヨーク中央日報の社長まで歴任した(今は引退)イ・ソック氏です。<<>>が引用部分となります。

 

<<・・朴槿恵政府のとき、安倍晋三総理は韓日関係正常化のために何度も首脳会談を推進した。しかし、朴槿恵政府は見向きもしなかった。ついに米国オバマ政権が仲裁に乗り出して、事実上の圧力で、 両国はいわゆる不可逆的な慰安婦の合意をすることになった。それを現政府が廃棄して反日を叫んだから、人気は上昇した。しかし、貿易報復(※対韓輸出管理厳格化のこと)など、国際社会での日本の位相(※地位)はそれほど簡単ではない。日本が半導体製造装置の輸出を統制するならどうなるだろうか?サムスン電子が輸入するメモリー半導体製造装置の80%は日本から取り寄せている。素材部品産業ではまだ、日本は私たちとギャップが大きい。前回の日本の貿易報復で、私たちは、日本の力を実感した。 IMFも、米国と日本の力がどんなものなのか、私たちは痛切に感じたことがある。

日本を叩くと、国民の支持率は上がる。韓国が米国のように力があれば、条約を無視することもできる。強者は協定を直すことができるから。しかし、韓日間の全体の力の対決では、我々はまだ力不足だ。現政府は一歩遅れて問題を痛感し、収拾に乗り出しているが、日本がこれに応じないでいる。慰安婦と徴用問題に対する解決策を持って来るまでは会ってくれないというものだ。前のG7会議で、両国首脳会談にならなかったのが良い例だ。韓国は会おうとしたが、日本が拒否した。文大統領が菅を訪ね挨拶をしたにもかかわらず、それで終わりだった。日本が韓国の脆弱性を利用して、慰安婦や徴用賠償問題を自分たちの好みに合わせて終わらせようとする下心があるのだ。

韓国は、このような日本に立ち向かう力もないのに、「慰安婦合意破棄、国内の日本企業の資産差し押さえ」など、強気で出た。両国政府が合法的に結んだ慰安婦合意の破棄は、長らく韓国政府の足かせになるだろう。徴用者補償問題などの法的争いも、日本の同意がない限り、事実上、解決策ではない。これは国益を考慮していない理念外交と無知の結果だ。植民地支配の良心の呵責を感じる世代は、現在、日本の政界から消えた。いつでも日本を叩けばいいという妄想は捨てなければならない。冷静な頭で国益を考慮した外交戦を展開しなければならない。それだけが厳しい国際社会で生き残れる道だ>>

 

さらに妙なのは、この記事の題が『日韓関係悪化と法治』である点です。こういう主張をする人たちにとって、「法治」とは、どんなものでしょうか。韓国が、韓国基準で『力』を手に入れたとき、世界にどんな法治を主張するのか、、それを垣間見ることができるでしょう。

というか、この主張通りなら、「日本は韓国より強い」はずですが、日本が韓国との条約を、両国間の問題で破棄または上書きしたことって、ありましたっけ。ソース記事の基準だと、おかしいですね。強者なのに、なんでしないのでしょうか。

 

 

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