日本から『韓国が解決法を提示すべきだ』とさんざん言われてきた韓国ですが、今度は中国からも同じことを言われました。THAAD関連の発言で、「THAADに関して中国と韓国が合意した段階的な処理(階段性処理)を履行するための根本的解決策を探るよう願う」というのです。
階段性処理、すなわち段階的措置が何を意味するのかははっきりしていませんが、2017年、文在寅大統領は中国に対して「3NO(3不)」を約束しました。日米韓3角安保協力は『同盟』にはならない(日韓同盟は無い)、米国のミサイル防御システムに入らない、THAADの追加配置はしない、です。中国は、その際に韓国がTHAADに関して『段階的措置』に合意したと主張しています。その措置が詳しく何なのかは謎ですが、中国の言い方からして、「既存のTHAADも撤去する」内容だと思われます。
すなわち、韓国側が発表したのは「追加配置をしない」だけだけど、「追加配置せず、段階的に既存のTHAADも撤去する」という内容に両国が合意した、そんなニュアンスです。ニュアンスだけを示して韓国側を圧迫する策なのか、それとも韓国がそういう裏の合意をしたのか、それまでは現段階では分かりません。
15日のことです。保守右派の大統領候補、尹錫悦(ユンソクヨル)氏が、中央日報とのインタビューで、「韓国の対中外交は、韓米同盟を前提にしたものでなければならない」「THAADは韓国の主権の領域」と話しました。すると、在韓中国大使である邢海明(シンハイミン)氏が、同じく中央日報に「韓中関係を、韓米関係の付属品だと思ってはいけない」とユン候補を責める反論を寄稿しました。この件、マスコミが言ったならともかく、大使が直接書いたのが問題になり、「中国が韓国大統領選挙に介入したことになる。大使はもっと慎重であるべきだった」とする指摘がありました。すると今度は中国の外交部(外務省)が、シン大使を擁護しながら、『韓国は中韓両国の合意に基づき、根本的問題解決策を探るべきだ』と話しました。ここからは中央日報から引用してみます。<<~>>が引用部分となります。
<<・・それでも中国外交部のチャオリゼン(※趙立堅)スポークスマンは、「言うべきことを言ったまでは」と発言したのだ。むしろ、THAAD問題で韓国に攻勢をかけた。「韓・中はすでに段階的処理という合意を獲得した。韓国は、両国の合意に基づいて、根本的解決方法を積極的に探るよう願う」とした。注目すべき部分は、スポークスマンの発言の中に「段階的処理」がまた出てきた点だ。両国は2017年10月31日の合意を通じて交流正常化を約束した。韓国は、THAAD追加配置を考慮せず、米国のミサイル防衛(MD)システムに編入せず、韓米日安保協力は軍事同盟には発展しない、いわゆる「3不」の立場も表明した。
ところが、直後の11月13日、文在寅大統領と李克強 中国首相の会談で、突然、中国が「(THAAD)の段階的処理(階段性処理)に合意した」とし、合意文にもない表現を言い出した。段階的に進めて、最終的には、既に配置されたTHAADまで撤去すると合意したかのように聞こえる表現だ。
当時、(韓国の)外交部は、「中国の英語翻訳表現は段階的(step by step)ではなく、『現段階では(in the current stage)』の意味だと否定した。外交消息筋は「中国側も、外交チャンネルを通じて『THAADを完全に取り除くことは不可能なので、現段階で段階的にアプローチするという趣旨』と説明した」と伝えた。しかし、昨年10月、ナム・グァンピョ駐日大使(10月31日の合意当時、交渉代表)が、3不のことを「立場表明であり、約束ではない」と発言すると、中国チャオリーゼン スポークスマンはまた、「段階的処理に合意したとおり、適切に処理することを希望する。中国はTHAAD配置に反対する」と話した。今回は、英語表現そのまま段階的合意(phased settlement)とした・・
・・結局、2017年合意後、THAAD葛藤は「封印された」と宣言した大統領府の願いとは異なり、中国の「THAADガプジル(※甲たる行為、強者の横暴)」は続いているわけだ。外交情報筋たちの間では、政府の弱腰外交が口実を与えた側面があると指摘されている。シン大使の寄稿に対する警告だけでも、外交部が公に立場を出したのではなく、連絡する報道機関に対してのみ、立場を示すだけだった・・>>
妙ですね。以下、邪推の塊であり、「中国の言うこともなかなか信用できないが」な気持ちもあるものの、書いてみます。本当に「中国側がウソを言っている(それっぽいニュアンスで圧迫しているだけ)」なら、なんで中国側がそこまで迂回的に圧迫する必要があるのでしょうか。やろうと思えばいろいろ出来るのでは。いわゆる「限韓令」なども、まだ解除されていません。3不で交流正常化に合意したなら、解除してもおかしくないでしょう。解除する気が無いなら、そもそも合意したはずがありません。
案の定、記事は「韓国側が、中国と裏の合意を結んだ」可能性についてまったく考えていませんが・・個人的に、これは裏で何かあったのではないか、そう思わざるを得ません。文在寅政権になった直後、韓国では慰安婦合意に『裏の合意(裏面合意)があった』と大騒ぎになりました。「性◯隷」という用語を使わないことにした、などなど、表向きには発表していないいくつかの裏の合意があった、というものでした。後で韓国内のタスクフォースが調べた結果、韓国側が「慰安婦以外の用語は使わない」と話したことなどが確認されました。なぜか、あのときのことを思い出します。
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