韓国紙「日本各紙が大坂なおみ選手を猛非難している。ソースは日刊センダイ(ゲンダイの誤記)」

ユニークな記事があったので、紹介します。日刊ゲンダイが大坂なおみ選手について書いた記事を、韓国の「韓国経済新聞」がほぼそのまま引用し、「日本で大坂なおみ選手が『日本語もできないくせに』と叩かれている」という記事を載せました。本エントリーのソース記事でも指摘していますが、この韓国経済新聞の(日刊ゲンダイを引用した)記事は、韓国側でかなりの人気を集めました。大坂なおみ選手は聖火リレーの最終ランナーとして、そして多様性というテーマを象徴した人物でもあります。そんな人が「試合に負けたせいで、日本で差別を受けている」となると、これは東京オリンピックそのものへの致命的なダメージになるでしょう。そういう点が『受けた』のかもしれません。

この件で、日本駐在の韓国人教授チャン・ブスン氏(国際関係学博士)が、「韓国では、大手新聞が日本のイェローペーパー(赤新聞)紙の記事を引用して記事を書き、それを日本全体の意見のようにミスリードする。ちゃんと取材して書く気は無いのか」とコラムを書きました。以下、オーマイニュースから引用してみます。原文では「黄色いタブロイド紙」となっていますが、意味的にイェローペーパー(赤新聞)を意味するので、訳ではイェローペーパーにしました。<<>>が引用部分となります。

 

<<28日、韓経ドットコム(韓国経済新聞のオンライン版)に掲載された記事が、ポータルサイトで注目を集めた。各種インターネットコミュニティにもどんどん広がっていったこの記事は、「日本、大坂ナオミ衝撃の敗北後に『日本語もできないくせに』と急変」というタイトルだった。簡単に言うと、日本人は大坂ナオミを聖火点火者に選定するなどチヤホヤしてやったのに、オリンピックテニス3回戦で脱落したから、態度が急変、非難を浴びせているというものだった。

これらの非難の根拠として、記事は「日刊センダイ」というメディアの記事を引用したという。記事の内容はほとんどすべてが日刊センダイに掲載された「大坂ナオミの没落、3つの元凶」という記事から引用したものだ。本当に日本人は大坂ナオミが3回転で脱落し態度を急変、非難しまくっているのだろうか?ちなみに、日刊センダイというメディアは日本には無い。日刊ゲンダイの誤記である・・

(※日刊ゲンダイが指摘した3つの理由は「天気」「傲慢」「精神的に不安定」ですが、教授はこれらを否定しています。天気なら大坂なおみ選手にだけ不利なものでもなかったし、傲慢というのも見方の問題で大坂なおみ選手は選手としての義務事項をおろそかにしたことが無く、精神的に不安定ならそもそも今のようなスーパースターになれたはずもない、と。それらの指摘の後に)日刊ゲンダイは、典型的なイェローペーパーだ。日本の人々は誰でも、日刊ゲンダイの記事を読んで、「これはほとんどの日本人の考えだ」と思う人はいないだろう。その記事を読んだとしても、クスっと笑ってそれで終わりだ・・・・韓経ドットコムの記事は、日刊ゲンダイ以外にも日本のメディアが大坂なおみに非難を浴びせまくっているかのように書いているが、日刊ゲンダイ以外の記事についてはソースを明記していない。一体、日本のどのメディアが大坂ナオミをそこまで非難しているのだろうか?日本の地上波放送や読売、朝日、毎日など主要メディアのどこにも日刊ゲンダイのようにとんでもない論理で大坂なおみを非難する内容の記事は見たことがない・・

 

・・なぜ韓国で日本の主流メディアの記事ではなく、「ヤフージャパン」で簡単に見つけられる安価でレベルの低い記事が主に引用されるのか、その理由を、知らないわけではない。ヒット(※PV)を上げるためには、ちゃんとした報道機関の記事はあまり役に立たないからだ。日刊ゲンダイ類のイェローペーパーの記事が、韓国の読者の関心を集めてPVを上げるのに役立つからである。簡単に言うと「商売」になるからである。しまいには、韓国の5大日刊紙すらも、日本のイェローペーパーの記事を引用している・・

・・韓国のメディアとその関係者は、今の日本関連報道で、「下水道を掘りながら『なんで下水しか出ないんだ』と叫ぶ」風の書き方を、考え直す必要がある。日本関連報道を、ヒットを上げる手段としてではなく、メディアの本分に戻って事実をありのまま報道してバランスのとれた視点で分析する考えを持たなければならない。そんな決意がないなら、今後も希望はない。

日本社会を全体的に正しく理解する気があるなら、それに見合ったレポーターを発掘し、取材方法を開発しなければならない。正統マスコミを自認する報道機関が、イェローペーパーから引用して報道することが、もう無くなることを願う>>

 

本ブログとしても、耳が痛くてショートカット(近道)して脳まで響く内容です。前にもちょこっと書いたことがありますが、本ブログではそこそこ有名な新聞、放送、ニュース通信社(聯合ニュース、ニュース1、ニューシースなど)、ケーブル局(韓国はケーブル局の影響力が強い国です)ならそのまま引用しています。でも、オーマイニュース(市民記者による記事)、ローカルメディア、ネットメディアなどから引用するときには、どんなメディアなのか、書いた人はどんな人なのか簡略に説明することにしています。ほとんどはツッコむための引用ですけど、引用は引用。全てのソースでそう出来たのかというと、反省しかできることがありません。もっと、気をつけたいと思います。

 

 

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