文在寅政権といえば、やはり南北関係でしょう。「北とともに生き、ともに死す。いまさら何のためらいがあろうか。(統一して日本に)美しい復讐を、いつの日かかならず・・」と、いきなりアニメネタで恐縮ですが、そんな感じです。
しかし、ハノイでトランプ氏と金正恩氏がケンカ別れしてから、何もありませんでした。冗談抜きで何も無く、朴槿恵氏の弾劾から平昌冬季オリンピック、米朝首脳会談(1回目)までの勢いはいったい何だったのかと、いまだと遠い遠い昔の話のようです。「日本は蚊帳の外」とかそういう流れでした。バカバカしいかぎりです。
だがしかし、なんと南北通信連絡線が復元できました。金正恩首領と文在寅統領の親書外交の成果だそうです。先月27日に大統領府が電撃発表した「南北通信線復元」は、文政権にとって実に久しぶりの『南北関係改善』な感じの発表でした。実は、そもそも北朝鮮が一方的に切っただけで、改善でもなんでもありませんけど。これをきっかけに、韓国各紙は南北首脳会談の可能性を取り上げ、韓国の統一部は露骨に「韓米軍事演習を中止(または延期)すべきだ」と主張しています。
この機会を逃さず、金与正氏が、また妙なコメントを出しました。厳しく韓国を叱りながらも、ほんの少しの可能性をほのめかすことで、韓国の間違った判断を誘発させる内容です。殴りまくったあとに「痛かったのか?」と一言言い残すことで、相手に「ああ、私を殴ったあいつも実はいい人か」と思わせる・・強いて言うならそんなやり方です。以下、保守右派系ネットメディア「ペンアンドマイク」から引用してみます。
<<北朝鮮の独裁者金正恩の妹 金与正労働党副部長は1日、南北通信連絡線の復元は、「断絶されたことを物理的に繋げ直しただけだ」と南北首脳会談の可能性を一蹴した。続いて金与正は8月に予定されている韓米合同軍事訓練の中止を要求し、「北南関係の前途をさらに曇らせる、面白くない前奏曲になるだろう」と警告した・・
・・金与正は「南朝鮮の内外で、それなりの意味を拡大して解釈しており、南北首脳会談の問題まで世論化してあるようだが、私は時期尚早すぎる軽率な判断だと思う」とした。続いて南北通信連絡線の復元は、「断絶されたことを物理的に繋げ直しただけ、それ以上の意味は無いとするのが私の考え」とし「不器用な憶測と根拠のない解釈だけだと、かえって失望するだけであろう」とした。
また金与正は、「この数日間、私は南朝鮮軍と米軍との合同軍事演習が予定通り強行されるだろうという気持ち悪い知らせを聞いた」とし「今のような重要な反転の時期に行われる軍事演習は、明らかに信頼回復を望む北南首脳の意志を著しく毀損させ、北南関係の前途をさらに曇らせる、面白くない前奏曲になるだろう」と警告した。北朝鮮との対話を望む韓国政府に韓米連合軍事訓練の中断を促したのだ。彼は「韓国政府と軍は南朝鮮側が8月に再び敵対的な戦争演習をやらかすか、または大きな溶断を下すか、注視してみるとしよう」とし「希望か絶望か?選択は、私たちがするものではない」とした・・>>
連絡線がフェリー(連絡船)に訳されていて面白いと思いました・・はともかく。「物理的に繋げ直しただけ」としながらも、「信頼回復のチャンスを逃すな」とも言っています。これが何を意味するのか。北朝鮮は、韓国に対して「間違えるなよ、絶対に間違えるなよ?」としながらも、実は韓国が間違えるように仕向けているわけです。
「通信線の復旧だけでは首脳会談は無理」と「通信線を復旧して・あ・げ・た・じゃないか。訓練やめろ」というメッセージを同時に投げつけることで、韓国側が「じゃ、じゃぁ、訓練を中止すると首脳会談できるということでしょうか」とポジティブに間違えるのを待っているわけです。もちろん、訓練を中止すると首脳会談してやるとは、北朝鮮は一言も言っていません。
ちなみに、この南北通信線ですが、2000年代に入ってから、すでに5回も切断され、そのあとに復元できました。朝鮮日報(朝鮮BIZ)によると、2008年11月切断(韓国が北朝鮮人権決議案を共同提案した) → 2009年8月復元(金大中氏の逝去がきっかけ) → 2010年5月切断(天安艦爆沈による李明博政府の対応が原因) → 2011年1月復元(南北当局会談で合意) → 2013年3月切断(国連の対北制裁決議、韓米合同軍事訓練など) → 2013年6月復元(南北当局の実務接触のため) → 2016年2月切断(朴槿恵政府の開城工業団地関連措置が原因) → 2018年1月復元(文在寅政府との南北対話のため)→ 去年、急に怒り出して切断 → 今年7月27日復元(親書外交?)、でした。
♨ 拙著著のご紹介&お知らせなど♨ 以下、「題の部分」はアマゾンリンク(アソシエイト)になりますのでご注意ください。
<「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論>が発売中(2021年4月29日発売)です。日本滞在4年目になって、日本で手に入れた日常、そして、ラムザイヤー教授の論文にまつわる話、それらから見えてきた、日韓比較論です。
・新刊<恥韓の根源>が発売中(2021年2月28日)です。併合時代の朝鮮半島のハングル記事、1965年基本条約締結を前後しての記事など、古い記事を考察し、『今』の韓国の反日思想の矛盾を浮き彫りにしてみました。・「反日」異常事態(2020年9月2日発売)が発売中です。いわゆるK防疫として表出された、韓国の反日思想の本性である『卑日(日本を見下す)』とその虚しさについて主に考察しました。他の拙著についてはここにまとめてあります。
・サブブログに議論エントリー(1~3)と雑談エントリーを用意しました。長くなりそうな話にはサブを利用してください。・シンシアリーはツイッターを利用しています。99%更新告知ですが、たまに旅行先の写真とか載せますので、よかったら覗いてみてください。
・本ブログのプライバシーポリシーはこちらになります。